123sheer heart attack

映画とドラマとアニメ

今年買ったもの

今年買ったものです。

 

MacBook Air

『search/サーチ』っていう映画見てめっちゃカッコいいじゃんって思って勢いで買った。

気に入ってるけど基本Twitterを見るか映画を見るかなろう小説の構想を練るときにしか使わないので完全にスペックを持て余している。 

ちなみにsearchはここ一年で見た映画の中でもとくにイチオシの作品。全編通してPCの画面上だけで物語が進行していくんだけど、そのアイディアとこだわりがしっかり面白さに繋がっている。完全に発想の勝利という感じだった。

Search/サーチ  (字幕版)

Search/サーチ (字幕版)

 

 

キャプテン・アメリカのコップみたいなやつ

仙台駅行ったときたまたまMARVELのポップアップストアやってたので買った。

星条旗カラーじゃなく敢えてウィンター・ソルジャー仕様の白黒のやつにした。通なので。

ついでに10周年のタオルも買った。ミーハーなので。

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筆者近影

 

The Last of Us

中古屋で500円で売ってたから買ってみたけどめちゃめちゃ面白かった。

洋ゲー自体やるのが初めてだったんだけど、人生でマリオとポケモンくらいしかやってこなかったので映像クオリティの高さにいちいちビビってしまう。

ゾンビ映画が大好きなので映画の登場人物をそのまま動かしてるみたいですごく楽しかった。ストーリーも世界観も全部が好み。あとエリーちゃんが可愛い。

弾薬や物資を節約しながら進まなきゃいけない感じもリアリティがあってワクワクする。

ゲームやるの本当に久々だったけどあまりにもハマりすぎてぶっ続けで4周してしまった。これだからあんまりやらないようにしてるんですよ。

 

Fire TV stick

HuluNetflixAmazonプライムビデオDisney DELUXEをテレビで見るために買った。

PS3でも一応見られるから要らないかなと思ってたけど全然スピードが違うので買ってよかった。 色々契約しすぎてそろそろ収拾つかなくなりつつある。

 

TSUTAYAプレミアム

ちょっとだけ入ってみたけど旧作無料以上に新作半額が嬉しいなと思った。

料金分の元を取ろうとして借りまくると疲れるので、返却期限無しでゆっくり楽しめるという点にお金を払ってると思った方がいい。

引っ越してTSUTAYAがあんまり近くなくなったから退会しちゃったけど、定額配信サービスじゃ見られない映画ってまだまだたくさんあるので使う意義はあると思う。

 

Disney DELUXE

ディズニー・ピクサー・マーベル・スターウォーズがだいたい全部あるのでラインナップ的には強い。なぜか名探偵コナンもある。

逆に言うとほぼディズニーしかないので興味ない人にとっては魅力が薄いかも。

個人的には昔からディズニーチャンネルをよく見てたので懐かしい作品がたくさんあって面白い。

今からMCU追いかける人にとってはうってつけ。ただし配給がディズニーじゃないアイアンマン1とハルクとスパイダーマンは見られません。

 

まちカドまぞく(1〜5巻)

もえぶたまぞくなので当然のように原作を買った。

期待どおり可愛くて面白かったし、何よりアニメがいかに原作を上手く料理してくれていたかということがよくわかる。

後半から出てくる新キャラたちも嫌いじゃないけどやっぱりシャミ子と桃が二人で色々やってる話が一番好き。

まちカドまぞく 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

まちカドまぞく 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

 

 

 

ウォーキング・デッド(コミック)

はじめてアメコミというものに触れたんだけど読みやすかった。

基本的にはドラマと同じストーリーラインをなぞりながらも細かいところが全然違うので先が読めなくて楽しい。

話の盛り上げ方とか戦闘シーンの魅せ方なんかはやっぱりドラマに軍配が上がるけど、物語運びやキャラクター造形に関しては原作の方が圧倒的にしっかりしてる。

最大のネックは値段が高いこと。

そういえば昨日見たゾンビランド:ダブルタップでコロンバスがウォーキング・デッドのコミック読んでるシーンがあってちょっと面白かった。

ウォーキング・デッド 1 過ぎ去りし日々【デジタル版】 (ヴィレッジブックス)

ウォーキング・デッド 1 過ぎ去りし日々【デジタル版】 (ヴィレッジブックス)

 

 

 

そろそろ今年のアニメ10選の選考に入る時期ですね。

ラストオブアス2のためだけにPS4を買うべきか悩んでる。

ポケモンは大好きなんだけど育成したりバトルしたりするのは大変なので第六世代以降は女の子トレーナーの画像を眺めるだけで満足することにしてます。

 

(おわり)

高慢と偏見と萌豚

公開から約二週間が経過しましたが、みなさんアン・リー監督最新作『ジェミニマン』はもうご覧になられましたか。

あれ見る時間で『空の青さを知る人よ』見たほうがいいと思いますよ。だいたい同じような話だし相生あおいちゃんが萌え萌えなので。

theriver.jp

 

ジェミニマン』は正直微妙だったけど、アン・リー作品はけっこう好きなのが多い。

ライフ・オブ・パイ』は人生で見た映画の中でもベスト30に食い込むぐらいお気に入り。このあいだ久々に見たんだけど、1回目の時とは全然違う視点で見ることができた。

ジョーカーとミステリオが禁断の恋に落ちる『ブロークバック・マウンテン』も名作。

ヒース・レジャーホアキン・フェニックスの演技を見たらどう感じたのか気になる。

最近見た『いつか晴れた日に』もなかなか良かった。

ジェーン・オースティンの『分別と多感』を原作とした作品で、ヒュー・グラントアラン・リックマンといったシブいおっさんたちが初心な恋愛をしてるのが面白い。実質『ラブ・アクチュアリー』だった。

いつか晴れた日に (字幕版)

いつか晴れた日に (字幕版)

 

 

ところでジェーン・オースティンといえば、最近HuluBBC版『高慢と偏見』を見つけたので視聴してみたんだけど、意外にハマっちゃったので久しぶりに映画と小説の方も見返した。

 

来年1月には『ダウントン・アビー』の劇場版も控えているので、たまにはこういう作品も見てモチベーションを高めておきたい。という非常にニッチな話題。

 

 

高慢と偏見』について

高慢と偏見』(Pride and Prejudice)はジェーン・オースティンによって1813年に刊行された恋愛小説であり、もはや説明不要の不朽の名作である。

これまで幾度となく映像化されてきており、とりわけ1995年にBBCで製作されたドラマシリーズは当時絶大な人気を誇り、放送時間になると通りから人がいなくなったというのも有名な話。

 

身分は高くないが鋭い感性を持った娘エリザベスと大富豪だが鼻持ちならないダーシー氏が、偏見や高慢といったお互いの短所を乗り越えながら惹かれあっていくというのが大体のあらすじ。

今さら紹介するようなものでもないが、この作品の魅力はなんといっても登場人物たちの強すぎる個性と丁々発止の掛け合い。

皮肉屋で放任主義のベネット氏、過保護でヒステリックなベネット夫人、人を疑うことを知らない長女ジェイン、お転婆で頭のねじの緩んだ末娘リディア、空気の読めない滑稽な牧師コリンズ、お人好しのビングリー、ハンサムだが信用ならないウィッカムなどなど、キャラのクセがやたらに強くて面白い。

なかでもやはりエリザベスとダーシーの舌戦はウィットに溢れていて非常にユニーク。

 

また、当時の時代背景や女性像を色濃く感じ取れる作品でもある。

主人公のエリザベス(リジー)・ベネットはジェントリ階級出身なのでけっして貧しい家柄ではないが、女性であるためベネット家の財産を相続することができない。*1

当時の女性は夫の庇護下に入る以外で生計を立てる手段がほとんどなく、結婚は人生を左右する一大イベントでもあった。

つまり、エリザベスたち未婚女性にとって結婚とは単なる恋愛の延長線にあるものではなく、身を立てるための生存戦略であったと言える。

 

一方のミスター・ダーシーは貴族の血を引き、ダービシャー州に広大な領地を持つ正真正銘の紳士。ずば抜けた美貌も財産もないエリザベスなど、本来であれば鼻も引っ掛けない存在だったはずが、いつしかその機知に富んだ性格に惹かれるようになっていってしまう。

 

エリザベスとダーシー、そしてその周りの様々な人物たちによって繰り広げられる駆け引きが本作の最大の見どころ。これが本当の恋愛頭脳戦である。

 

ぼくは基本的に学園ハーレムラブコメラノベアニメ以外の恋愛ものにはあんまり興味がないんだけど、先に触れたとおり海外ドラマ『ダウントン・アビー』の大ファンなので、この手のジャンルはけっこう取っつきやすい。(ドラマ劇中でも『高慢と偏見』に言及してるシーンがある)

ダウントン・アビー、良いドラマなのでたくさんの人に見てもらいたい。アイアンマン3で上品なドラマだって言ってたけどそれはちょっと疑わしい。

 

最初に映画『プライドと偏見』を見たあとで小説も読んだんだけど、内容も文体もシンプルなのでスラスラ読めた。

ちなみにぼくが読んだのは光文社古典新訳文庫版と新潮文庫版ですが、後者は注釈も充実していて特に読みやすかったです。

高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫)

高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫)

 
自負と偏見 (新潮文庫)

自負と偏見 (新潮文庫)

 

 

 ちなみに女子小学生向けのやつもあるらしくて内容がめちゃめちゃ気になってる。

100年後も読まれる名作(10) リジーの結婚 プライドと偏見
 

青年男性の萌豚が買ったら逮捕されたりしないか心配。 

 

映像化作品

前述したように『高慢と偏見』は数多く映像化されているので、メディアごとに違いを比較できるのが面白い。ぼくが見たことがあるのは以下の3種類だけだけど、もっと昔に作られたものもあるらしい。

 

高慢と偏見』(1995)

高慢と偏見[Blu-Ray]

高慢と偏見[Blu-Ray]

 

映像化されたなかではもっとも有名で評価の高いBBC版。

今日では『キングスマン』や『英国王のスピーチ』で知られるコリン・ファースを一躍スターダムに押し上げた出世作でもある。

全6話のドラマシリーズでじっくりと描かれるので、もっとも原作に忠実でわかりやすい。また、それぞれのキャラクターも原作のイメージに近い。

コリン・ファース演じるダーシーが湖で水浴びするサービスシーン(※原作にはない)に英国中の女性が悶絶したとかしないとか。

とりあえずこれを見ておけば間違いなし、という信頼の作品。

ただ、エリザベスはもうちょっと可愛くてもよかったんじゃないかな……。

 

プライドと偏見』(2005) 

プライドと偏見 (字幕版)

プライドと偏見 (字幕版)

 

こちらは映画版。主演はキーラ・ナイトレイマシュー・マクファディン

サクッと2時間でまとまっているので、小説やドラマは時間かかるからちょっと…という人でも気軽に楽しめる。

ドラマ版とは真逆で、こちらはエリザベスが美人すぎる。天真爛漫な笑顔やお茶目な仕草が非常に愛らしいのだが、姉妹で一番の美人という設定のジェインより可愛くなってしまっているのはそれはそれでどうなんだろうという気がしないでもない。

恋愛映画らしいロマンティックな演出を重視しており、原作と比べて皮肉控えめのまっとう(?)なラブロマンスに仕上がっている。

ミスター・ダーシーの生え際が若干気になってしまうという問題はあるが、吹替の声が東地宏樹なので5割増しでカッコよく見える。

2時間にまとめている都合上、ドラマ版と比較すると描写不足な部分は多いものの、入門として最初に見るにはちょうどいい作品だと言える。

ぼくもはじめにこれを見ました。

ちなみにDVDの未公開映像では原作にはないオリジナルのエピローグが見られるのだが、ダーシーがなんかキモいので本編ではカットして正解だったと思う。 

 

高慢と偏見とゾンビ』(2016) 

高慢と偏見とゾンビ(字幕版)
 

もし『高慢と偏見』の世界にゾンビが現れたら……という気が狂ってるとしか思えない世界観で描かれるパロディ作品。 

もとはと言えばこの映画が見たくて元ネタを調べるようになったので、『高慢と偏見』を知るきっかけをくれたこの映画には頭が上がらない。

しっかりと原作のストーリーをなぞりつつ、要所要所でいきなりゾンビを絡めてくるので笑っちゃう。

単にゾンビ目当てで見るとやや物足りなさはあるかもしれないが、『高慢と偏見』のパロディ映画として見る分には十分楽しめる作品だと思う。

ダウントン・アビー』のローズや『ゲーム・オブ・スローンズ』のラニスター親子なんかが出演してて個人的にはテンションの上がるキャスティングだった。

 

知ってほしい、ジョージアナちゃんの魅力

高慢と偏見』について書かれた記事はそれこそ星の数ほどあるんだけど、本作の登場人物の一人であるジョージアナ・ダーシーについて触れているものがあまり見当たらないのがちょっと寂しい。 

それも当然のことで、本作の主軸となるのはエリザベスとダーシーの恋愛模様なのであり、ジョージアナは言ってみれば脇役である。(『高慢と偏見とゾンビ』の映画に至っては登場すらしない)

 

でもぼくはジョージアナちゃんにもっとスポットを当ててもらいたい。

なぜなら、彼女が兄さん大好き妹だからである。

熱心な原作ファンの方には大変申し訳ありません。

 

ジョージアナ・ダーシーとは

ジョージアナ・ダーシーは作中のある事件に関わりを持つ重要人物ではあるのだが、本人の出番はそれほど多くない。

彼女はミスター・ダーシーのたった一人の妹で、序盤から度々言及されることはあるものの、実際に登場するのは作中後半になってから。

年収1万ポンドの大地主ダーシーの妹ということはすなわち、名家のご令嬢というわけである。

ぼくはまずもって上流階級のお嬢様という設定に弱いので、それだけですぐ好きになってしまう。ところで忘れがちですがアイリ・アーカディアちゃんもアーカディア帝国のお姫様なんですよ。

 

ダーシー兄妹の両親ははやくに亡くなっているため、年の離れたミスター・ダーシーが父親代わりの後見人となって彼女の面倒を見てきていた。そういった経緯やミスター・ダーシー自身の人柄もあって、ジョージアナは兄を心から尊敬しているのである。

 

エリザベスによるジョージアナ評

ミス・ダーシーは背が高く、エリザベスよりも大柄だった。十六歳になったばかりだが、姿形はもう大人で、女性らしいたおやかな様子をしていた。顔立ちは兄ほどくっきりしてはいないが、表情に知性と気立てのよさが表れており、物腰も全く気取りがなくて柔らかだった。ミスター・ダーシーの妹だけに、よほど鋭い眼で遠慮なく観察されるのではないかと思っていたエリザベスは、兄妹の気質がずいぶん違うのでほっとした。

ジェイン・オースティン. 自負と偏見新潮文庫) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.4733-4738). Kindle 版.

 

年齢は16歳。兄とは10歳差。芸事に秀でており、エリザベスを含め作中に登場するほとんどの人物から好意的な評価を受けている。兄のダーシーもしょっちゅう手紙を書いたりピアノを買い与えたりなど並々ならぬ愛情を注いでいることがわかる。

また、鋭く他人を批評する兄とは違って大人しくおっとりとした性格のようである。

 

ジョージアナちゃんのココが可愛い 

せっかくなのでジョージアナちゃんの可愛いシーンを抜粋してみます。

 

 ミス・ダーシーもこちらと同じくらい緊張している様子だった。ラムトンに着いて以来、ミス・ダーシーはたいへんお高くとまっているとエリザベスは人の噂に聞いていたのだが、ほんの数分も一緒にいると、それは単に極度の恥じらいのせいだと分かってきた。「はい」「いいえ」といった受け答えだけで精一杯の様子なのだ。

ジェイン・オースティン. 自負と偏見新潮文庫) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.4730-4733). Kindle 版.

 

ダービシャーでエリザベスとはじめて対面した時の様子。

エリザベスと読者はこれまでミス・ダーシー(=ジョージアナ)は兄同様に高慢な性格なのだとばかり思っていたのだが、実際にはそうでないことが明らかになる。ジョージアナは尊敬する兄からエリザベスがいかに素晴らしい女性かを聞かされているので、非常に緊張している。ようやく対面したエリザベスを前にしていっぱいいっぱいになっちゃっている姿が想像されてかわいい。

  

ジョージアナの出迎えはきわめて丁重だったが、恥ずかしいのと何かへまをしないかという怖れとで、彼女はこの上なく緊張していた。

ジェイン・オースティン. 自負と偏見新潮文庫) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.4850-4852). Kindle 版.

 

エリザベスがダーシー家の所有するペンバリー館に招待されたときの様子。いつも恥ずかしがってて可愛い。ジョージアナは慣れないホスト役を務めているのでますます緊張している。

 

ミス・ダーシーは会話に加わる勇気が欲しいと念じているようだったし、実際、できるだけ誰も聞いていなそうなときに二言三言しゃべりもした。

ジェイン・オースティン. 自負と偏見新潮文庫) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.4859-4860). Kindle 版.

 

劇中一番の萌えポイント。ジョージアナはホストとして客を招待した手前なにか気の利いたことを話すべきなのだが、内気すぎて会話に混ざれない。念じちゃってるのが可愛いし、がんばって喋ろうとしているところも微笑ましい。オタクはこういうしぐさに弱い。

  

もっとも、ミス・ダーシーは女招待主という立場をすっかり忘れていたようで、ミセス・アンズリーが何度も意味ありげな視線を送ったりほほえみかけたりしてからやっと気づき、軽食を運び入れるよう命じたのだった。

ジェイン・オースティン. 自負と偏見新潮文庫) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.4870-4872). Kindle 版.

 

上がりすぎてお付きの女性に合図されるまで自分の役目を忘れてしまっているうっかり屋さんな一面もある。

 

ジョージアナはエリザベスをこの上なく尊敬していた。もっとも最初のうちは、エリザベスがダーシーに話しかけるときの陽気でいたずらっぽい様子を見て、仰天に近い驚きを覚えたようだ。これまで自分は兄を畏敬するあまり愛情表現さえ遠慮するくらいだったのに、その兄が今では公然と冗談の種にされているのだ。こうしてジョージアナは、(中略)エリザベスのお手本によって、女は夫に対して茶目っ気を発揮してもいいことが分かってきたのだ。十歳も年上の兄だと、妹にはなかなかそうさせないものである。

ジェイン・オースティン. 自負と偏見新潮文庫) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.7089-7094). Kindle 版.

 

最後には女の茶目っ気を覚えてしまったジョージアナちゃん。今後の活躍に期待である。

 

あらためて読み返してみてびっくりしたんだけど、作中でジョージアナの台詞って多分ひとつもないんだよね。地の文の表現だけで読み手に生き生きとしたキャラクター像を想像させる技術って本当にすごいなと思う。

というわけで萌豚は200年前の小説でもブヒれるという話でした。

自分でも何が書きたかったのかよくわからない。

ファンの方には重ねてお詫び申し上げます。 

 

2019年秋アニメの注目ヒロイン

現時点でのTOP3を発表します。なぜなら萌豚なので。

 

メリダ=アンジェルちゃん(アサシンズプライド

私、放送前からずっとメリダちゃんが可愛いって言ってたよね!

サラシャ=シクザールちゃんも好みなのでこれからの出番が楽しみ。

 

・大星林檎ちゃん(超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!)

はじめて見たとき可愛すぎてひっくり返っちゃった。林檎ちゃんのためだけにこのアニメを見ていると言っても過言ではない。

 

・シェフィールドちゃん(アズールレーン

見た目がめちゃめちゃ好みだったのでなんと公式サイトでわざわざ名前を調べた。これはすごいことですよ。

 

SAOはセルカちゃんをもっと出してください。

 

今期はまあまあ良いペースでアニメ追いかけられてる気がする。

あと、『THE BOYS』っていう海外ドラマが面白いと評判なのでそのうち見てみたいなと思ってます。『ウォーキング・デッド』の最新シーズンも見なくちゃいけないんだけど死ぬほどサボってるのでなんとかしたい。

 

(おわり)

 

*1:男系の相続人のみが一括してすべての財産を受け継ぐこの仕組みは「限嗣相続制」と呼ばれ、『ダウントン・アビー』におけるグランサム伯爵家でも同様の問題が発生するところから物語が始まる

本気で選ぶ2019年夏アニメヒロインランキング

5秒で選びました。

  

第3位 ラティナちゃん 

デイルを異性としてしか見てなくて可愛い。一生成長しないでほしい。

 

第2位 シャドウミストレス優子ちゃん

セリフと動きが全部可愛い。桃ちゃんと良ちゃんも可愛い。シャミ子は悪くない。

 

第1位 グレイちゃん 

主人公大好き銀髪敬語ヒロインは例外なく可愛い。見た目がストライクすぎてびっくりした。アニメの女の子は全員一人称を拙にしてほしい。

 

まとめ

みんなめちゃめちゃ可愛い。

 

 

※来期アニメで気になってるやつ

 

アサシンズプライド

主人公大好きお嫁さん面ヒロインのメリダちゃんが楽しみ。もうひとりのヒロインも銀髪ジト目なので楽しみ。原作は5巻くらいまでしか読んでない。

本好きの下克上

内容は知らないけどなろう原作アニメなのでとりあえず見ます。

私、能力は平均値でって言ったよね!

内容は知らないけどなろう原作アニメなのでとりあえず見ます。

俺を好きなのはお前だけかよ

1クールに1本は学園ラブコメハーレムラノベアニメがほしい。

SAOなんちゃらかんちゃら編

そもそも前回どうなって終わったのかもよく覚えてない。とりあえずセルカちゃんの出番があるのかどうかだけ気になる。

 

あとは調べてないから全然わからないけど色々見たい。

その前に溜まってる夏アニメ見終われるように頑張ります。

 

(おわり)

2019年映画まとめ【上半期】

2019年上半期(1月〜6月)に公開された中で見ることのできた映画がこちらになります。

  

  

 

『ミスター・ガラス』(Glass)

ミスター・ガラス (字幕版)

ミスター・ガラス (字幕版)

 

アンブレイカブル』のその後を描いたM・ナイト・シャマラン監督最新作。

完全に初見お断りの内容なので、何を話してもネタバレになってしまうのがもどかしい。

『スプリット』のあの衝撃的なラストを見てからというもの期待半分不安半分で待ち望んでいた今作だったが、まさにシャマランにしか作れないシャマラン流のアメコミヒーロー映画だった。

シャマランの描くヒーロー像はどこまでも地味で、場違いである。アメコミ映画の持つ非現実的なテイストを現実に落とし込んだときの違和感を、あえてそのままに残しているのが面白い。「現実ではスーパーヒーローなんてこんなものだよ」と皮肉っているかのよう。

ダンの息子役に同じ俳優をキャスティングしていたり、過去作の設定を伏線として利用していたりと、様々なポイントでシャマラン監督の自作への愛が感じられたのも良かった。

ほかの誰にも真似のできない、唯一無二の作品だったと思う。期待していたものを見ることができて個人的には大満足。

ところでアニャ・テイラー=ジョイって角度によって可愛さが変わる気がする。

評価:8/10点

  

『フロントランナー』(The Front Runner)

1988年アメリカ大統領選挙。その最有力候補(フロントランナー)であったのにもかかわらず、スキャンダルによって失脚してしまったゲイリー・ハート上院議員の顛末を描いた伝記映画。

日本ではあまり知られていないゲイリー・ハートという人物だが、彼は時代の転換点にあって、その流れについていくことのできなかった政治家であった。

「政治家の政治能力とプライベートは切り離すべきか」という議論提起は有意義であるものの、いかんせん元々がハート議員の身から出た錆なので説得力に欠ける。

ハートが優秀な政治家だという話もセリフで語られるだけなので、実際に彼の政治手腕を見せるようなシーンがあればもっと主張に深みが増したんじゃないかと思う。

ヒュー・ジャックマンが好きなので関心を持てたけど、風刺映画としてはすこし物足りない内容だった。あと一歩突っ込んだ展開が見られるとよかったな。

ちなみに、本作の監督を務めたジェイソン・ライトマンの『サンキュー・スモーキング』は個人的にイチオシの映画なのでぜひチェックしてみてください。

評価:4/10点

 

『アクアマン』(Aquaman)

アクアマン(字幕版)

アクアマン(字幕版)

 

低空飛行気味だったDCユニバースがついに復活の狼煙を上げる。

ゲーム・オブ・スローンズ』のジェイソン・モモアがまたしても王位を巡って激しいバトルを繰り広げる海洋アクションアドベンチャー映画。

水中戦が得意という設定なのに『ジャスティス・リーグ』では地上でばっかり戦わせられてたアクアマンだが、今作ではその本領を遺憾なく発揮している。

海中での壮大なバトルシーンは本当に圧巻だったが、それにとどまらず砂漠やシチリアなど地上の様々な景色を見ることができたのも良かった。

バトル・爆発・バトル・爆発と目まぐるしく場面が転換していくのでとにかく見ていて飽きる瞬間がない。困ったらとりあえず爆発でシーンを繋ごうとするの笑っちゃう。

それから、一ヶ所いきなりホラーチックな演出になるシーンがあるんだけど、そこの転調がすごくユニークだと思った。ホラー映画出身のジェームズ・ワンが監督してるだけある。

なんといってもアクアマンのことが好きになれる映画として仕上がっていたので良かった。あらためて『ジャスティス・リーグ』の前にやればよかったのにと思わずにはいられない。

はやくサイボーグのことも救ってやってくれ。

評価:8/10点

 

ファースト・マン』(First Man)

ファースト・マン (字幕版)

ファースト・マン (字幕版)

  

「これは小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」

人類で初めて月面に立った男、ニール・アームストロング船長の内面に迫った作品。

デイミアン・チャゼル監督はこれまで『セッション』『ラ・ラ・ランド』など音楽を題材にした賑やかな作品で成功を収めてきたが、今作は打って変わって「静寂」が印象的な映画だった。

本作で描かれるアームストロングはとても寡黙で内省的な人物であり、感情を表に出すということを滅多にしない。物語は静かにじっくりと進んでいくため、アームストロングの心の内に寄り添うことができる反面、やや退屈に感じる瞬間も多かった。

個人的にこの映画で一番好きだったのが、月面着陸の瞬間をあえてドラマティックに演出しようとせず、あくまで淡々と(それでいて美しく)映していたところ。

彼にとって月面着陸とは念願の夢などではなく、単なる任務の一環であり、過去への清算にすぎない。そんなアームストロングの人間性を端的に象徴しているような素晴らしい描き方だと感じた。

誰にでもオススメできる楽しいエンタメ映画とは言いがたいが、深く印象に残る映画だったことは間違いない。

中盤ちょっとウトウトしちゃったのは内緒。

評価:5/10点

 

アリータ:バトル・エンジェル』(Alita: Battle Angel)

日本の漫画『銃夢』を原作としたスペクタクルSFアクションムービー。

アリータちゃんの独特なキャラクターデザインで話題になった本作だったが、実際見てみると全然気にならないどころかむしろ愛らしく思えてくるからスゴい。くりくりしたお目目がキュートだった。

サイバーパンクな世界観やCGゴリゴリの義体アクションバトルがてんこ盛りで、まさしくIMAX3Dが映える作品。この手のジャンルが好きな人にはたまらないと思う。

ただ、キャラクターの動機がイマイチ理解できなかったり、同じ中ボスとのバトルが何回も繰り返されたりと、ストーリー面では引っかかる部分も多かった。

なにより、気になる要素を色々と散りばめておきながら中途半端なところで話が終わってしまったのが最大のマイナスポイント。完全に続編ありきなんだろうけど、少しくらいは話をまとめる努力をしてほしかった。

でもアリータちゃんが可愛かったので次回作出たらたぶん見ちゃうと思う。

評価:6/10点 

 

女王陛下のお気に入り』(The Favourite)

女王陛下のお気に入り (字幕版)
 

ごめんあそばせ、宮廷では良心は不用品よ。

女王陛下の寵愛を巡ってふたりの女官が醜い争いを繰り広げるヨルゴス・ランティモス監督最新作。

ランティモス作品は前作『聖なる鹿殺し』しか見たことがないんだけど、独特な画角や音楽を用いてイヤ〜な雰囲気を演出するのがものすごくうまいと思った。『ファニーゲーム』の空気感に近い。

今作もその演出は健在だったのだが、宗教色が強すぎてイマイチ理解できなかった前作と比べて比較的わかりやすいストーリーだったのでホッとした。

一応史実に基づいた世界観ではあるらしいんだけどあんまり伝記物という感じはなくて、どちらかというと寓話っぽい印象を受ける。

オリヴィア・コールマンエマ・ストーンをはじめとするキャスト陣の力によって不穏すぎるドロドロした人間関係が見事に表現されており、かなりハラハラしながら最後まで楽しむことができた。18世紀の英国貴族社会を再現した美術やファッションも見どころのひとつ。

それにしても女の人って怖いね。

評価:6/10点

 

スパイダーマン:スパイダーバース』(Spider-Man: Into the Spider-Verse)

コンニチワ〜ハジメマシテヨロシク〜!

ペニー・パーカーちゃんマジでカワイすぎ。

すべてのスパイダーマン映画を過去のものにするまったく新しいCGアニメ映画。

この映画のもっとも素晴らしいところはなんと言ってもそのグラフィック。アメリカンコミックのテイストをそのままアニメの世界に落とし込んでいるのがスゴい。3Dにも違和感なく溶け込んでいて本当に度肝を抜かれた。

個性豊かなキャラクターたちによって展開されるストーリーも負けず劣らず魅力的で、主人公であるマイルスとピーター双方の成長ドラマがしっかりと描かれていたのが良かった。

これまでのスパイダーマン映画が大いなる力を持ってしまったがゆえの孤独を描いてきたのに対して、この映画では「特別な存在はひとりじゃない」という優しいメッセージ性を含んでおり、そこも好きなポイントだった。

そしてなによりペニーちゃんが可愛い。もちろんグウェンちゃんも可愛い。

映画好きもアニメ好きもヒーロー好きもぜひとも一度は見てほしい作品。今回ぼくは字幕版で見たんだけど、吹替版も非常に気になるところ。

そういえば、声優としてマハーシャラ・アリが出演していたと後から知って驚いた。『アリータ』にも出てたし、最近いろんなところで見かけるからスゴいなあ。

評価:9/10点

 

『グリーンブック』(Green Book) 

グリーンブック~オリジナル・サウンドトラック

グリーンブック~オリジナル・サウンドトラック

 

そのマハーシャラ・アリが『ムーンライト』に続いて二度目のオスカーを獲得した作品。

人種の垣根を超えて友情を深めていく男たちの実話に基づいた心温まるヒューマンドラマだった。要するに『最強のふたり』。

天才黒人ピアニスト・シャーリーと粗野なイタリア系用心棒・トニーの凸凹コンビは見ていて面白く、ふたりの絆が強まっていく過程も丁寧に描写されていたのが良かった。

アカデミー賞でも作品賞を含めた三冠に輝いた本作なのだが、『ムーンライト』や『ドリーム』のような映画と比べるとややインパクトに欠ける気はする。

「こうなってほしいな」と思ったとおりの展開になるので見ていて気持ちいいんだけど、話そのものは正直ありふれているし、意外性や新鮮味はあまり感じない。

なんていうか、10年前ならわかるけど今の時代あえて作品賞に選ぶような映画なのかな?という印象を受けた。

でもアメリカ南部をふたりで旅していくロードムービー的な雰囲気は純粋に楽しかったし、多くの人が好きになれる素敵な映画だったと思う。

これ見た後はケンタッキーフライドチキンが食べたくなる。

評価:7/10点

 

『運び屋』(The Mule

運び屋(字幕版)

運び屋(字幕版)

 

家族と疎遠になった孤独な老人が金のためにドラッグの運び屋を始める物語。ニューヨークタイムズマガジンに掲載された実際の記事が原案になっているらしい。

あらすじだけ見ると『ブレイキング・バッド』のようなハードな内容を想像してしまうが、意外にライトな毛色の作品だった。

とくに好きだったのがクリント・イーストウッド演じる主人公アールのキャラクター。てっきり『グラン・トリノ』みたいな頑固な役柄なのかと思ってたけど、茶目っ気たっぷりな性格で面白かった。どんどんヤバい事態になってるのに本人はいたって飄々としてるのがツボ。

ここのところ監督業に専念していたイーストウッドが今作では久々に主演を兼任したわけだが、「仕事に夢中になるあまり家族をないがしろにしてしまった男」という人物像をイーストウッド自身が演じているのがなんとも興味深く、説得力を感じる。

アメリカン・スナイパー』で主演を務めたブラッドリー・クーパーとの共演も見応え十分だった。

今年で89歳になるイーストウッドだが、まだまだ良い映画をたくさん撮ってほしい。

評価:8/10点

 

キャプテン・マーベル』(Captain Marvel)

キャプテン・マーベル (字幕版)
 

アベンジャーズの最終兵器、キャプテン・マーベルがついに登場。

『ルーム』で素晴らしく繊細な演技を見せてくれたアカデミー女優ブリー・ラーソンがモヒカンヘアーで飛行してる映像はなんだか笑いを誘う。でも90年代グランジ・ファッションは似合っててカッコよかった。

そしてサミュエル・L・ジャクソンを25年前にまで若返らせる映像技術の進歩にはビックリ。ワンシーンだけでなく全編通してCG処理してるのがスゴい。

MCU作品というだけである程度の面白さは保証されてるんだけど、単体の映画として見たときに惹きつけられるものはあまり無かったかな。

キャプテン・マーベルはたしかに最強なんだけど、両手からフォトンブラストをぶっ放すだけで勝てちゃうのでバトルシーンはすこし単調に感じてしまう。

とはいえ、思わずニヤリとさせられるファンサービスが随所に散りばめられているのは楽しかったし、彼女の『エンドゲーム』への参戦が楽しみになる作品ではあった。

ニック・フューリーが片目を失った悲惨な事件は涙なしには語れない。

評価:5/10点

 

『ブラック・クランズマン』(BlacKkKlansman)

新米の黒人警官が白人至上主義団体KKKに潜入するというノンフィクション小説を元にした映画。

予告編を見て興味をそそられたんだけど、期待どおりの面白い映画だった。これが本当にあった話だというのだから驚き。

レイシストたちとの戦いをユーモアたっぷりに描きながらも、要所要所でピリッと風刺を効かせている。楽しいだけでなく、最後には冷や水を浴びせられたような気分になるような構成が印象的だった。

あと、主人公の相棒を務めるアダム・ドライバーのキャラクターがかなり良い味を出してたと思う。『スター・ウォーズ』でカイロ・レンを演じてる時は特別好きというわけでもなかったんだけど、この映画を見てかなりファンになった。

スパイク・リー作品を見るのは今回が初めてだったんだけど、他の作品もチェックしてみたい。

評価:7/10点

 

名探偵コナン 紺青の拳』

シリーズ初の海外へと舞台を移し、とうとうシンガポールにまで死を運んでしまった劇場版名探偵コナン第23弾。

最近のキッド映画はコナンとキッドのバディ物としての要素が強いんだけど、個人的には『世紀末の魔術師』みたいなミステリアスな雰囲気のキッドが好きだったので今の路線はちょっと物足りなく感じる。

海外×キッド×京極ということでどんなトンデモ映画になってしまうのかと不安に思ってたものの、最低限ミステリ映画としての体は成していたのでホッとした。ただ犯人が森谷帝二なみにわかりやすかったのはどうかと思うのよ。

これまでにない異国情緒は新鮮だったし、相変わらずクレイジーなアクションシーンも堪能できたので良かった。

しかしそのすべてが霞んでしまうくらいにシリーズ最大級の衝撃だったのは、まさかの園子が可愛く見えたということ。マジで『異次元の狙撃手』のラストよりもビックリした。こんなことがあっていいのか。

評価:5/10点

 

アベンジャーズ/エンドゲーム』(Avengers: Endgame)

Avengers…Assemble!

壮大なインフィニティ・サーガを見事にまとめあげた、完結編にふさわしい内容だった。

これまでのMCU映画はそれ単体で見た人でもある程度楽しめるように作られていたけど、今回に限っては本当にシリーズのファンだけに向けた物語だったのが潔い。

そういう意味で、ひとつの作品としてフェアに評価するのがとても難しい作品でもある。

バトルに次ぐバトルだった『インフィニティ・ウォー』と比べると、静かなシーンが多かった印象。前半はちょっとペース遅いかな?と感じてしまったけど、それも含めてヒーローたちの失意や苦悩を感じさせる演出になっていたのはよかった。

後半はとにかくファンサービスと作品愛にあふれた展開になっており、セルフオマージュやゲスト出演なども目白押しで本当に楽しい。

アイアンマンやキャプテン・アメリカの引退作品でもあった今作だが、彼らのヒーローとしての生き様を描きあげたドラマとしても見応えのあるものだった。

あえて言うとしたら、サノスの主張に対するヒーロー側のアンサーをもうすこし掘り下げてくれてもよかったなとは思う。ヒーローたちの逆襲に尺を費やさなくてはならない都合上、前作ほどサノスの存在に深いドラマ性を感じられなかったのはちょっぴりもったいなかった。

あれも見たいこれも見たいなどと言い出せばキリがないが、風呂敷をたためない作品が多い中で、ひとつの物語としてしっかり有終の美を飾ってくれたことが本当に素晴らしい。

満を持してのアッセンブルが見られただけでもう感無量です。

3000回愛してる。

評価:10/10点

 

『シャザム!』(Shazam!)

シャザム!(字幕版)

シャザム!(字幕版)

 

MARVELに追いつけ追い越せDCEU最新作。

ティーンエイジャーの少年が、「シャザム!」と叫ぶことで最強のヒーローに変身する能力を手に入れてしまう。

予告編を見た感じコメディ色の強い映画なのかと思ってたんだけど、それだけでなく家族ドラマとしての要素もしっかり盛り込まれていたのが良かった。

とくに主人公の義兄弟でありサイドキックでもあるフレディとの関係性が好き。他人同士だった人間が本物の家族になるみたいな話に弱いので、終盤の展開はグッときてしまった。

ただ、主人公サイドが比較的明るいトーンなのに対して敵サイドのストーリーがかなりシリアスなので、そこのミスマッチ感はちょっと気になったかな。

その他トム・ハンクスの『ビッグ』のオマージュがあったりしたのが個人的に嬉しいポイントだった。

今後ジャスティス・リーグに合流する予定があるのかはわからないけど、こいつとスーパーマンがいれば他のヒーロー要らなくなってしまうのではという懸念はある。

当ブログはDC映画を応援しております。

評価:7/10点 

 

バイス』(Vice)

"史上最凶の副大統領"ディック・チェイニーの半生を題材にした風刺映画。

副大統領でありながら大統領以上の影響力を持っていたとも噂され、様々な憶測の飛び交うチェイニー副大統領の実像に大胆な切り口で迫っている。

本作の監督を務めたのは『マネー・ショート』で監督賞にノミネートされたアダム・マッケイであり、前作同様に笑えないような重いテーマをわかりやすくユーモラスに描くのが抜群にうまい。

キャスト陣の多くも『マネー・ショート』から続投しているのだが、チェイニー副大統領を演じたクリスチャン・ベールの変幻自在っぷりには毎回驚かされる。知らなかったら彼だと気づけなかったかもしれない。

アメリカ政治に詳しくなくてもしっかり楽しめ、それでいて考えさせられるユニークな作品だった。

ちなみに『バイス』というタイトルはVice President(副大統領)とVice(悪徳)のダブルミーニングになっているらしいですよ。

評価:8/10点 

 

『名探偵ピカチュウ』(Pokémon Detective Pikachu)

「名探偵ピカチュウ」オリジナル・サウンドトラック

「名探偵ピカチュウ」オリジナル・サウンドトラック

 

同名ゲームのハリウッド実写版映画。

CGで再現されたリアルなポケモンたちの姿でなにかと注目を集めた本作だが、絶妙なラインで愛着を感じられるデザインに仕上がっていたのがすごい。

なにかと失敗しがちなゲーム映画ではあるが、本作はポケモン作品への愛が感じられる良い実写化だったと思う。

ぼくは小さい頃からポケモンが大好きだったんだけど、バトルや育成よりもストーリーや世界観に強い魅力を感じていた口なので、本作の人間とポケモンの描かれ方はとても興味深く見ることができた。ポケットモンスターSPECIALとかいいよね。

ライアン・レイノルズ演じるピカチュウのキャラクターは期待どおりユーモラスだったし、主人公とのバディの雰囲気も好きだった。

なにより、ポケモンという要素をうまく物語に絡めつつも、それ一辺倒になるのではなく、消えた父親の影を追う少年の成長と家族愛がちゃんと描かれていたのがイイ。最後はちょっとウルっとしちゃう。

だからこそ、この作品は良いポケモン映画であった以上に、良い親子ドラマ映画であったと言いたい。

そして渡辺謙は今回も何もしなかった。

評価:7/10点

 

『アラジン』(Aladdin)

アラジン オリジナル・サウンドトラック デラックス盤

アラジン オリジナル・サウンドトラック デラックス盤

 

ディズニー不朽の名作アニメ『アラジン』の実写版。

映画館では字幕で見ることが多いんだけど、今作に限ってはCV:山寺宏一ジーニー/ウィル・スミスが見たい一心でわざわざ吹替版を見に行った。

色々と批判されがちなディズニー実写映画ではあるが、『アラジン』の他のディズニー映画にはないアラビアンな雰囲気は実写化映えするし、ウィル・スミス演じるジーニーも想像以上にハマっていた。

そしてこの映画の見どころはやっぱりミュージカルパート。ぼくは"フレンド・ライク・ミー"が特に好きなんだけど、吹替だと訳し方や歌い方の違いが比較できて面白かった。

それ以外にも、本作にはオリジナル版にはなかったアレンジが色々と加えられてたんだけど、それがうまくいってる部分とそうでない部分があったように思う。

個人的に、ジャスミンに与えられた新曲は『アラジン』の世界観にあまり馴染んでいない気がした。最近のディズニーが強い女性像を描こうとしているのはわかるんだけど、すでに完成されているストーリーを無理に変えることはないんじゃないかなあ。

ディズニーはこの先も実写化作品が山ほど控えているので今後にも注目したい。『リトル・マーメイド』とかどうなるんだろう。

評価:6/10点 

 

メン・イン・ブラック:インターナショナル』(Men In Black: International)

Men In Black: International (Original Motion Picture Score)

Men In Black: International (Original Motion Picture Score)

 

マイティ・ソー バトルロイヤル』のクリス・ヘムズワーステッサ・トンプソンがタッグを組んだ新生MIBシリーズ。

キャストも予告編もいい感じだったから期待してたんだけど、ちょっとガッカリな映画だった。

今回は「MIB内部にいる裏切り者を探す」というのが主なストーリーラインなんだけど、オチがありきたりすぎるしミスリードや伏線の回収も雑。

クリス・ヘムズワースは大好きなんだけど、本作のエージェントHのキャラクターにはあまり魅力を感じられなかった。

本作は過去シリーズを見ていなくても大丈夫なように作られているのだが、それにしても伝説のエージェントだったはずのJとKに対する言及が一切ないというのはすこし寂しい。

結局、オリジナル版の良かった要素があまり引き継がれてないんだよね。MIBの設定とガジェットだけ拝借した別物の映画という感じ。

メン・イン・ブラック』はもともとそこまで完成度の高い映画だったというわけではないんだけど、外連味のある都市伝説めいた世界観と凸凹コンビの掛け合いが魅力の作品だった。今作はそこをうまく描けていなかったせいで、クセのない平凡な作品になってしまったのだと思う。面白くなりそうな要素がたくさんあっただけになんだかもったいない。

ただ、敵の双子エイリアンはビジュアルもアクションもスタイリッシュでめちゃめちゃイカしてた。あいつらをもっと見たかったなあ。

評価:3/10点 

 

X-MEN: ダーク・フェニックス』(X-MEN: Dark Phoenix

X-Men: Dark Phoenix (Original Motion Picture Soundtrack)

X-Men: Dark Phoenix (Original Motion Picture Soundtrack)

 

ジーン・グレイの隠された力がついに明かされる『X-MEN』シリーズ最新作。

この話前にも一度やったような気がするんだけど。ジーン何回暴走するんだ。

本作に限らずどの作品でもそうなんだけど、ぼくはどうやら「力が暴走して制御できなくなる」という展開があまり好きではないらしい。なんというか、なんでもアリな感じになっちゃうからイマイチ面白いと思えないんだよね。

多くの人が期待していたであろうクイックシルバーの見せ場がほとんどなかったのも残念。

それ以外にもメインキャラクターのひとりが突然退場してしまったりと脚本には色々と気になるところが多かったんだけど、これまで積み重ねてきたプロフェッサーとマグニートーの物語がひとまず着地できたのは良かったと思う。

なにより、今作はマグニートーのアクションが過去最高にかっこよかった。あの列車のバトルシーンのためだけにでもこの映画を見る価値はある。

ところで今回の映画って『フューチャー&パスト』の世界とは繋がってるのかな? X-MENシリーズはタイムラインが複雑すぎてもうわけわかんない。

評価:5/10点

 

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(Spider-Man: Far From Home)

Spider-Man: Far from Home (Original Motion Picture Soundtrack)

Spider-Man: Far from Home (Original Motion Picture Soundtrack)

 

アイアンマンに代わって世界の平和とMCU興行収入の未来を一身に背負うことになってしまったスパイダーマンの新たな戦いが始まる。

ジェイク・ギレンホールが好きなので彼の活躍を楽しみにしてたんだけど、今回のミステリオはまさにハマり役だった。

そしてついにメインヒロインの座に昇格したMJも、あのダークな雰囲気が今までのヒロインに無い感じですごく可愛かった。MJが魅力的っていうだけで鑑賞のモチベーションが変わってくるのでここは非常に重要なポイント。サム・ライミ版の悲劇を繰り返さなくて本当によかった。

ただ、個人的に前半の旅行パートはそれほどのめり込めなかった。ピーターが女の子を追いかけるというストーリーラインは前作とまったく同じだし、恋敵の存在もあまり面白いと思えなかった。親友ネッドの出番が少なかったのも残念。

なにより、ピーターがMJに惹かれる過程は物語上とても大切な部分だったと思うので、そこは簡単に飛ばしてほしくなかったな。

一方で、ストーリーの方向性が見えてきた後半からはかなり面白かった。ネタバレになるから詳しくは書けないけど、今作のヴィランとの戦いは映像面でもすごくオリジナリティがあって心を掴まれた。

前作ではあまり見られなかった街中でのスイング・アクションもたっぷり見られて満足。

アイアンマンの魂を受け継ぐという意味で、良いバトンタッチとなった作品だったと思う。これからのMCUの展開にも期待が高まる。エンディング後のあの人の登場にはビックリ。

それにしても毎度「とりあえず全部トニーのせいにしとけばいいや」な脚本には笑っちゃうんだけどもう少しなんとかならないのか。いや、面白いからいいんだけどね。

評価:7/10点 

 

 

※下半期に見ようかなーと思ってる映画


トイ・ストーリー4』7月12日公開 

『天気の子』7月19日公開

ワイルド・スピード/スーパーコンボ』8月2日公開

ライオン・キング』8月9日公開

ロケットマン』8月23日公開

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』8月30日公開

ガーンジー島の読書会の秘密』8月30日公開

『アド・アストラ』9月20日公開

ジョン・ウィック:パラベラム』10月4日公開

『ジョーカー』10月4日公開

『イエスタデイ』10月11日公開

ジェミニマン』10月25日公開

ターミネーター:ニュー・フェイト』11月8日公開 

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』12月20日公開

 

上半期と比べると、絶対見たい!って映画はそんなに多くないかも。

今年の前半はあまりアニメやドラマが見られなかったので、後半からはそっちも頑張れたらいいなと思います。

(おわり)

『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章について

※本記事には『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章の重大なネタバレが含まれています。

 

Game Of Thrones: Season 8 (Music from the HBO Series)

Game Of Thrones: Season 8 (Music from the HBO Series)

 

全世界で賛否両論を巻き起こした『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章の放送から一ヶ月あまりが経った今、自分の中でもようやく整理がついてきたので個人的な感想をまとめておきたいと思う。

けっして書くのをサボっているうちに一ヶ月経ってしまったというわけではない。

 

 

 

ゲームの終わり

じつに丸1年以上待たされることになった『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章の放送は、なんの因果か『アベンジャーズ/エンドゲーム』の公開とタイミングが重なることになってしまった。

世界でもっとも人気の映画シリーズと世界でもっとも人気のドラマシリーズは、奇しくも同時にゲームの終わりを迎えることになったわけである。

いまだかつてこれほどまでにエンタメ業界が盛り上がった時期があっただろうか。

そのコンテンツ力たるや、直前まで放送していた『ウォーキング・デッド』の存在をみんな綺麗に忘れ去ってしまったほどだ。

世界中の人々が、それぞれのスタークの逆襲を固唾を呑んで見守っていた。 

エンドゲームめっちゃ良かったよ。 どっちかというとエンドゲームの話がしたい。

 

話題を『ゲーム・オブ・スローンズ』に戻そう。

ご存知の方も多いかもしれないが、もともと『ゲーム・オブ・スローンズ』というタイトルは、原作小説『氷と炎の歌』第1巻のサブタイトルから採られている。*1

すなわち、本来「鉄の玉座」を巡る戦いというのは物語のほんの序章部分にすぎないはずなのだ。

実際シーズン7まで見た人の多くは、もはや王位争いになどなんの意味もないと感じていたはずだ。なにしろ"夜の王"が人類を滅ぼそうとしている真っ最中なのだから。

#ForTheThroneなどと呑気なことを言ってる状況ではないのである。

 

だから、最終章は玉座そっちのけで"夜の王"との戦いが中心になるものとばかり思っていた。プリズン・ブレイク』と銘打っておきながら全然脱獄しなくなったドラマだってあるわけだし。

ところが、そんな予想は大きく覆された。このドラマはタイトルどおり、玉座を争うゲームによって締めくくられたのだ。看板に偽りなしとはこのことである。

 

その意表をつく構成は見事だ。視聴者の予想を裏切る展開こそ『ゲーム・オブ・スローンズ』の醍醐味なのだから。

にもかかわらず、この最終章は様々な批判の対象となってしまった。世界中から好意的に受け止められた『エンドゲーム』とは真逆の結果だ。

 

その最大の原因は、間違いなく尺不足にある。

これまでたっぷりと時間をかけて描かれてきた壮大な物語を、最終章ではわずか6話でまとめあげねばならなかった。

そんな最終章の展開について、順番に問題点を整理していきたい。

 

短すぎた"長き夜"

個人的にこの最終章でもっとも不満を感じたのがEp3 "The Long Night"である。

人類と"夜の王"の覇権を賭した最終決戦であり、このドラマ史上において、そしてウェスタロスの歴史上においても最大級の戦いだ。

これまで70話を費やして準備を進めてきた総決算のストーリーラインだったはずなのだが、正直言ってかなり肩透かしに感じてしまった。

明らかに、1話で描ききれるような内容量ではなかった。

 

まず、ティリオンとサンサは何もせず地下に引きこもっているだけだ。

サンサは「わたしたちにできることは何もない」とティリオンを引き止めるが、とんでもない。

ブラックウォーターの戦いで作戦を指揮し、逃げ出したジョフリーに代わって軍を鼓舞し、スタニス・バラシオンの侵攻を食い止めたのは他ならぬティリオンだったではないか。

むしろ、こういう状況でこそ彼の真価は最大級に発揮されるはずである。

このあたりは単純に脚本の手抜きのように感じてしまった。描かなければならない展開が多いために、ティリオンにまで尺を割くことができなかったのだ。

ティリオンたちが戦うシーンも撮影されたもののカットされてしまったという話を聞いたが、それが本当なら口惜しい話である。

 

もちろん好きなシーンもあった。

決戦直前にメリサンドルが軍隊の剣に炎を灯していくシーンには心が踊ったし、リアナがひとりで巨人に立ち向かうシーンもやや狙いすぎ感はあったがハラハラした。

なにより、アリアのパートは素晴らしい。ハウンドやベリックといった面々との共闘が見られたし、亡者の襲撃に怯える彼女の姿は新鮮で親しみが持てた。

極めつけはあのセリフである。

ーWhat do we say the god of death?

(死神に言う言葉は何?)

ーNot Today.

(まだ死なぬ)

最初の師であるシリオ・フォレルの存在を、アリアも脚本家もしっかりと心に留めていてくれたことが嬉しかった。*2

 

しかしながら、良い演出が光るだけに、悪いシーンがまた目立つ。

あれほどまでに壮絶な戦いだったわりに、死のスリルが薄かったというのはかなり深刻な問題だ。

戦いのなかで命を落としたキャラといえば、シオン、ジョラー、ベリック、リアナ、エッドくらい。

彼らが死んで悲しくないと言うわけではないが(むしろ好きなキャラクターばかりだ)、その死に深いドラマ性を感じられなかった。明らかに、人員整理のための死である。

 

なにより、死ぬキャラと死なないキャラの差があからさまなのだ。

 

たとえば、ハウンドにはまだマウンテンとの兄弟対決が控えているし、ジェイミーもサーセイとの間になにかラストイベントがあるだろうということは想像に難くない。

ジョンやデナーリスも今後の展開のために当然生き残るだろう。

逆にベリックやシオンなんかは、「ああ、このシーンで殺されるんだろうな」と思ったらやっぱりそのとおりだった。メリサンドルに至っては生き残ったのにもかかわらず身投げするかようにみずから命を絶ってしまう。(なぜ?)

先の展開が見えてしまっているために、このドラマの持ち味である「誰が死ぬかわからない」という緊張感があまり感じられなかった。これはラストシーズンならではの弊害と言えるかもしれない。

 

もちろん、やすやすと人が殺されていくのはこの作品にとって恒例行事だ。それでもキャラクターの死には常にドラマがあった。

同じような状況でも、死の描写をより上手く映していたのがS4Ep9 "The Watchers on the Wall"におけるジョンとイグリットのシーンだ。

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引用元:Watch Game of Thrones Season 4 Episode 9 Online: The Watchers on the Wall | HBO

 

彼女の死はある程度予想がつくものではあったが、それでも非常に感情を揺さぶられる演出だった。

イグリットはジョンに向かって弓を引くも躊躇い、その隙に別の矢に射抜かれてしまう。

彼女は最後に「あの洞窟から出るんじゃなかった」と呟き、ジョンの腕の中で生き絶える。この時の演出はデナーリスの死の瞬間とも重なるが、こちらの方が何倍も情緒的だ。

彼女を殺したのが、野人に親を殺されたオリーだったというところもまたやるせない。

 

敵味方の間に積み上げられた物語があるからこそ、キャラクターの死は映えるのである。

 

その点、亡者の攻撃は単調でワンパターンだし、お互いの感情の絡んだドラマも生まれない。殺し方も、ほとんどがただザクザク刺しまくるだけという工夫のないものである。なんだか投げやりな感じだ。

ただしこれはけっして死者との戦いだからつまらない、という意味ではない。

実際、S5Ep8 "Hardhome"における死者の軍団との戦いは手に汗握った。

唯一の対抗手段であるドラゴングラスを失い絶体絶命というところで、無我夢中に振るったジョンのLongclawがホワイトウォーカーを粉砕する。あの瞬間の興奮は今でも忘れがたい。

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引用元:Watch Game of Thrones Season 5 Episode 8 Online: Hardhome | HBO

このシーンの何より素晴らしいところは、一発逆転の爽快感があるというだけでなく、これまで単なるブランドにすぎなかったヴァリリア鋼が一転して重要アイテムになったということだ。

このエピソードを見た直後、ぼくはこれまで登場したヴァリリア鋼の武器を必死に思い返し、誰がどの剣を使うことになるのだろうと想いを巡らせた。

 

ところがだ。この長き夜の戦いにおいて、ついに集結したヴァリリア鋼の剣はちっとも役に立たなかった。

ヴァリリア鋼は対ホワイトウォーカー用の武器であって、通常の亡者に対してはほとんど意味がない。そのホワイトウォーカーといえば、みんな一ヶ所に固まってちっとも前線に出てこないのである。

結局活躍したのはアリアの短剣だけだ。

これではなんのために他の剣が集まったのかわからない。

ジョン、ジェイミー、ブライエニー、ジョラーといった主要キャラが手にしていたのにもかかわらず、ほとんどのヴァリリア鋼は大量のドラゴングラスとともに無用の長物と化してしまった。*3

  

ついでに言うと、アリアが"夜の王"にとどめを刺すというのも微妙に首をひねりたくなる展開ではある。

ぼくはアリアが大好きだし、かつてブランの命を奪おうとした短剣が最後にブランの命を救うという展開も洒落ているとは思うが、彼女が立役者になる必然性はあったのだろうか。

アリアと"夜の王"にはストーリー上の接点がほとんどない。それに彼女は変装を得意とする暗殺者であって、異形の怪物退治は専門外のはずだ(そういえば、今シーズン彼女は一度も変装術を披露していない)。

 

予想を裏切るのと期待を裏切るのはまったく別物である。

一般的な物語の文脈から考えれば、"夜の王"を打倒するのはジョン・スノウでなくてはならなかったはずだ。そもそも彼はそのために蘇ったのではなかったのか。

しかし、製作陣はあえてそうしなかった。

今思えば、この時点でジョンはもう主人公ではなくなっていたのかもしれない。

 

嵐の申し子から灰の女王へ

最終章の話をするうえで避けては通れない話題に移りたい。

おそらくは海外ドラマ史上もっとも物議を醸したであろうEp5 "The Bells"についてだ。 

本作の主人公のひとりであり、このドラマ全体の看板的存在でもあったデナーリスが無辜の人々を虐殺する光景は多くのファンに衝撃を与えた。

 

鉄の玉座の正当なる継承者、アンダル人と最初の人々の女王、七王国の守護者、ドラゴンの母、グレート・グラス・シーのカリーシ、焼けずの女王にして奴隷解放者。

今でこそデナーリス・ターガリエンを形容する呼び名は数えきれないほどにあるが、かつての彼女が持っていた肩書きはたったひとつ、"嵐の申し子"(Stormborn)だけだった。

ロバートの反乱によって命からがら亡命したターガリエンの王妃が、自身の命と引き換えに産んだのがデナーリスだ。その日はひどい嵐の夜で、それこそがStormbornという名前の由来である。

生まれる前から地位も財産も両親も失い、逆境の世界に生きてきたデナーリスにとって、"嵐の申し子"という名前はまさしく彼女のパーソナリティーそのものを示していると言える。

 

その"嵐の申し子"は、とうとう"灰の女王"に変わってしまった。

 

この展開が受け入れられない、という人もかなり多かったことと思う。それはよく理解できる。

ただ、個人的な感想で言えば、この展開そのものについては納得できた。

彼女は一貫して、偉大な女王としての資質と狂王の資質との両者を併せ持つ人間として描かれてきた。

そして、そのどちらにでも転びうる絶妙で危ういバランスこそが彼女の魅力でもあったのだ。

 

番組開始当初からこの展開が確定していたのかどうかはわからない。少なくとも、その可能性はつねに示されていた。

ただ、彼女が明確に"灰の女王"(Queen of the Ashes)へと舵を切りはじめたのは、S7Ep2におけるオレナ・タイレルとの会話がきっかけだ。

You're a dragon. Be a dragon.

(あなたはドラゴンよ。ドラゴンでありなさい)

 

かつてヴィセーリス・ターガリエンは、自身を怒らせることを「ドラゴンを起こす」と表現していた。そして怒りをコントロールすることができなかった彼は、越えてはいけない一線を踏み越えてしまった。

 

妹であるデナーリスも同じだ。

今になって思えば、オレナとのあの会話の時点で彼女の結末は決定づけられてしまっていた(そして偶然にも、このS7Ep2のタイトルは"Stormborn"なのである) 。

「ドラゴンであれ」というオレナの言葉から、そしてこれまでの経験から、 デナーリスは畏怖によって市民を服従させることが唯一の手段であると頑なに思い込むようになってしまった。 

 

それも無理からぬことである。彼女はこれまで直面してきた問題のすべてを、ターガリエン家の標語どおり炎と血によって打開してきたのだから。

ヴァエス・ドスラクで、クァースで、アスタポアで、ミーリーンで、そしてウェスタロスでも、彼女はすべての敵と障害を焼き尽くしてきた。燃やすこと、支配することでしか彼女は自らのアイデンティティーを証明することができないのである。

 

火だるまにする相手が蛮族や奴隷商人である間は、デナーリスの活躍は爽快だった。

ところが、その相手が我々視聴者のよく知るウェスタロスの民となれば話は変わってくる。

その危うさに関しては、ここで詳細に語るまでもなくティリオンが視聴者に向けてご丁寧に説明してくれている。

Everywhere she goes, evil men die. And we cheer her for it.

(彼女が現れれば悪人は死んだ。そして我々は彼女を応援した)  

 

善悪の観点は立場によってたやすく変わってしまう。

それを顕著に示すターニングポイントとなったのが、S7Ep4 "The Spoils of War"だ。

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引用元:Watch Game of Thrones Season 7 Episode 4 Online: The Spoils of War | HBO

 

個人的にこのS7Ep4は『ゲーム・オブ・スローンズ』全話の中でもトップ5に食い込むお気に入りのエピソードである。

 

重要なのは、ここではじめてデナーリスの侵略行為が侵略される側の視点から描かれたという点だ。

このエピソードで視聴者はジェイミーとブロンの目線から物語を追いかけることになる。

ラニスター軍をいともたやすく焼き尽くすデナーリスの脅威を、ウェスタロスの人々は(そして我々視聴者も)ここで身をもって体験することになるのだ。

これまで正義に見えていたはずのデナーリスの所業に恐怖を感じる瞬間である。ここの転換が非常に巧みであり、かつ敵味方両者のドラマもしっかり理解することができる。これがこのエピソードが白眉であると感じる理由だ。

 

ここまでは良かった。

デナーリスの内面的な部分も含め、丁寧に、かつ共感しやすく描かれていた。

しかしながら、最終章における彼女の変化はあまりにも突然である。

 

彼女の急激な変貌は『スター・ウォーズ』シリーズのアナキン・スカイウォーカーに喩えられる。

ファンからの否定的な声が大きい新三部作だが、アナキンがダークサイドに至るまでのキャラクターアークにはたしかに問題が多い。

アナキンの内面の変化がきちんと描かれないまま、最後にはダース・ベイダーになるという結論ありきで物語が進んでいく。

そのため、ラスト数十分での彼の闇堕ちはとても唐突に感じてしまう。

 

デナーリスの変貌はアナキンのそれとよく似ている。

展開上なるべくして灰の女王になったというよりも、デナーリスを灰の女王にするために無理やり展開を捻じ曲げたように見えてしまった。

 

レイガルの死がいい例だ。彼はユーロンの奇襲によってあっさり撃ち落とされてしまう。ドラゴンってこんなに弱かったっけ?と思わずにはいられない(にもかかわらず、次話で同じ攻撃を受けたドロゴンは無傷なのである)。

ジョラーやミッサンデイといった側近たちにしてみても、デナーリスを追い詰めるためだけに殺されたようなものだ。露骨な脚本の犠牲者である。だれかダーリオ・ナハリスのことも思い出してやってくれ。

 

本来であれば、視聴者はデナーリスの怒りと悲しみに寄り添えるはずだった。

なにしろシーズン1の第1話からずっと彼女と一緒に旅をしてきたのだから。

ターリー父子の処刑シーンでは、デナーリスの凶暴性を予感させる一方で、彼女の立場を考えれば同情できる部分もあった。

鐘の音が鳴り響いたとき、デナーリスが王城に特攻してサーセイを殺そうとするのなら、それもまだ理解できた。

 

だが、彼女はそうはせず、どういうわけか王都の人々を端から燃やしはじめる。

視聴者は完全に置いてけぼりである。アナキンがパダワンの子どもたちを皆殺しにしたときと同じ感覚だ。

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引用元:Watch Game of Thrones Season 8 Episode 5 Online: 5 | HBO

 

この重要な変遷は本来もっと時間をかけて描かれるべきだった。

ジェイミー・ラニスターもまたキャラクター性が180度転換した人物の代表例だが、彼の変化は数シーズンをかけてじっくりと描かれた。それゆえに視聴者は彼の成長に納得し、共感できるのである。(彼の最期についてはまた賛否両論あるのだが…)

 十分な下積みのもとにこの展開を迎えていたのなら、本作の結末は大きな賞賛をもって迎えられていたであろうと思うと残念でならない。

とりあえずカリーシと名付けられた子どもたちの将来が心配である。

www.cnn.co.jp

 

二人のキングスレイヤー

ここでジョン・スノウについてもすこしだけ話しておきたい。

最終章におけるジョンの扱いは、はっきり言ってかなりお粗末だ。口を開けばShe's my queenの一点張りである。

 

そもそも、デナーリスへの忠誠を貫くジョンには違和感しかない。

我々はマンス・レイダーにもスタニス・バラシオンにもけっして跪かなかったジョンを知っている。そうした方が明らかに合理的であっても、ジョンはその信念を覆さなかった。それこそがジョン・スノウという人間のゆるぎない矜持だったはずである。

"北の王"としての責務を放り出し、機械のように盲信的にデナーリスを信奉するジョンはまったく彼らしくない。

 

結局、サンサの懸念は的を射ていたと言わざるを得ないのではないだろうか。傍から見て、ジョンはたまたま出会った異国情緒の美女にのぼせ上がっているようにしか見えない。

デナーリスとの間にそれほど深い愛情があったようにはとても感じられないのだ。

 

愛してる愛してるとさかんに繰り返すわりに、彼はデナーリスの心境をまるで理解できていない。

玉座を得るためだけに生きてきた女性の前で、正統な世継ぎが玉座に興味はない」と繰り返すのは賢明な行いとは言いがたい。特に、その女性が自身の権威に危機感を抱きつつある場合は。

しかも、絶対に明かすなと釘を刺されたのにもかかわらず、「家族に嘘はつけない」とあっさりサンサとアリアに秘密を明かしてしまう。これでは戦乱を避けるためにジョンの出自を家族にさえ隠していたネッドが浮かばれないではないか。

案の定、この行動はデナーリスによる大虐殺の火種となってしまった。

そして、ティリオンの言葉に乗せられるがまま今度はあっさりとデナーリスの殺害を決意する。

 

個人的に言わせてもらえば、デナーリスの闇堕ちよりもジョンの主体性の無さの方がよっぽど不自然だ。

描きかたに問題はあるものの、デナーリスの人間性は少なくとも最後まで一貫していた。

ところがジョンはどうだろう。 

シーズン6あたりまでのジョンであれば、大義のために女王を殺すという選択をとっても説得力があっただろう。

しかし最終章のジョンは何もかも周囲に言われるがままで、主張や行動も一貫性に欠ける。

みずからの出自を知ってどんな反応をするのかと思えば、「関係ない、きみが女王だ、玉座に興味はない」と、結局最後までそれしか言わない。

満を持して明かされた衝撃の事実であったにもかかわらず、これまたデナーリスを追い詰めるための設定としてしか機能していなかった。

その結果、おそらくは感動的に描きたかったのであろうデナーリス暗殺の場面は、違和感ばかりが募るシーンとなってしまった。

 

こうして王殺しとなったジョンだが、じつは彼が王を殺すのはこれが二度目である。

かつて火刑に処された"壁の向こうの王"マンス・レイダーの介錯をしたジョン・スノウの姿には、紛れもなく王としての資質があった。あの頃の彼は一体どこへ行ってしまったのだろうのか。

 

ここでもうひとりの王殺しについても触れておきたい。

大方の予想では、ジェイミー・ラニスターは最終章でふたたび王殺しになるのではないかと考えられていた。

「サーセイが街を焼こうとし、ジェイミーがそれを食い止めるために彼女を殺す」というのが代表的なファンセオリーだった。*4

視聴者の多くも、ワイルドファイアで街を焼き尽くすサーセイと、それを阻止するために戦うジェイミーの姿を期待していただろう。

しかし、最終章のサーセイは意外なほど大人しかった。反撃らしい反撃もほとんどなく、まるで悲劇のヒロインのような最期を迎えるのである。 

ジェイミーとサーセイのこの結末もかなり好みが分かれるだろう。 

かつてジェイミーは街を燃やそうとした王を殺して市民を救い、キングスレイヤーと呼ばれるようになった。

ところが今回はその役目をジョンに譲り、サーセイと心中を遂げる道を選んだ。

ジェイミーは結局もとの彼に戻ってしまったのだろうか?

ぼくはそうは思わない。ジェイミーのこれまでの旅はけっして無駄ではなかった。

 

必ずしも誰もが英雄的に死ななければならないわけではない。

ブライエニーらとの出会いを経て、ジェイミーは多くを学んだ。

彼のこれまでの過ちはすべてがサーセイへの愛に起因するものだった。そんな自身を省み、自らの意志で人生を切り拓けるようになったうえで、それでもサーセイを選んだのだ。これは成長だとか正しさだとかとはまた別次元の話だ。

 

正直、サーセイが本心ではどこまでジェイミーを愛していたのかはわからない。最後に近くに残ってくれたのがジェイミーだったから、そのように振る舞っただけかもしれない。

そしておそらくは、ジェイミー自身もそのことを理解していたはずだ。かつては盲目的にサーセイを求めていただけだったが、彼はより俯瞰的に物事を見られるようになった。わかっていてなお、彼はサーセイのそばにいることを選択した。

このふたりの結末に完全に満足したわけではないが、ひとつの終わり方として美しいものであったと思う。

 

メイスター・エイモンは「愛は義務を殺す」という言葉を遺したが、ジェイミーは愛のために義務を放棄し、ジョンは義務のために愛する者を殺した。

おなじ王殺しという罪を背負うことになったふたりの男は真逆の運命を辿ることになったわけだが、果たしてどちらが人間らしい決断だったのだろうか。

 

不自由なブラン

すっかり忘れてしまっていたが、そういえばこのドラマの主題は王位争奪戦である。

デナーリスが死に、ジョンが囚われ、最終的に玉座に就いたのはなんと"不自由なブラン"(Bran the Broken)だった。

 

Brokenという呼称もなんだかあんまりな気がしてしまうが、この名前はS1Ep4でティリオンがブランにかけた言葉からのコールバックになっている。

 I have a tender spot in my heart for cripples, bastards and broken things.*5

(俺は障害者や落とし子や壊れたものに弱いんだ)

 

また、この名前はスターク家の祖先であるブランドン建設王(Brandon the Builder)と対比させるという意味合いもあるのかもしれない。

ブランドン建設王は冬の脅威に備え、ウェスタロスの北に長大な"壁"を造った張本人だ。

今やその壁は破壊され、"夜の王"が滅びたことで長い冬も終わった。そう考えると、Bran the Brokenというのもそれなりにしっくりくる名前ではある。

 

しかしながら、ブランが王になるという展開は正直あまり予想していなかった。

考えてみるとまあ妥当な人選ではあるかもしれない。何しろブランはもうほとんど仙人みたいな存在だ。

"三つ目の鴉"としてすべてを見通す力を持っているし、最後にスターク家が頂点に立つというのも物語としては収まりがいい。

焼け落ちた鉄の玉座に代わって車椅子が玉座になるというのも粋なオチではある。

あまりにも前振りが少なすぎるという問題を除けばだが。 

ジョジェンが超能力に目覚めたのも、ホーダーが知性を失ってしまったのも、すべてはブランが王になるためだったのだろうか?そしてミーラはどこへ?

 

それにしても、あれだけの大事件が起こったあとに、のこのこ現れた諸侯たちが「次の王様誰にするー?」と呑気に会議を始めるというのはなんとも面白おかしい光景であった。グレイワームもそれで納得しちゃうのかよ。

ジョン・スノウを王にするという選択肢が一切考慮されなかったのも不思議だ。諸侯たちは彼がターガリエンだということをちゃんと知っていたのだろうか。

 

一方のサムは、民主主義を提唱するも一笑に付されてしまう。個人的にこのシーンを入れてくれたのはちょっと嬉しかった。

最終章放送前の予想では、ウェスタロスでは君主制が廃止され民主政になるのではないか、というものもあった。

だがウェスタロスの文明水準を考えると、民主主義は急進的すぎる。近代的な政治体制が受け入れられるようになるまでにはまだまだ時間が必要だろう。*6

それでも、あえてその点に言及させたのは面白いポイントであると感じた。

 

ところで余談だが、あの会議に知らない顔がちらほらいたのがとても気になっている。

マーテル家の一族は全滅したはずだが、ドーンのプリンスとやらはいったいどこから湧いてきたのだろう。*7

サムの隣に座っていたのはタイレル家あたりの旗主だろうか。

せっかくの名家大集合シーンだというのに知らない顔ばかりというのはもったいない話である。

まあでもご無沙汰だったエドミュアとロビンが久々に見られたのは嬉しかった。

この状況で笑いを提供してくれるエドミュア叔父さんはある意味王の器かもしれない。

 

「物語」の重み

 ロバート王死後の戦記はアーチメイスター・エブローズによって編纂され、サムによって氷と炎の歌の題がつけられた。

このドラマのストーリー自体が、ウェスタロスで語り継がれる叙事詩のひとつであったことがここで示されるのだ。

氷と炎の歌」とは、ドラゴンとホワイトウォーカーを表す言葉であり、ジョンとデナーリスの関係性を指す言葉であり、同時にジョン自身の人間性を示す言葉である。

スタークとターガリエン両方の血を引くジョン・スノウは、まさに氷と炎を体現している存在であったのだから。

 

S8Ep6の終盤で、ティリオンはこんなセリフを口にする。

What unites people? Armies? Gold? Flags? Stories. There’s nothing in the world more powerful than a good story.

(人々を団結させるものとは何か? 軍隊? 黄金? 旗印? 物語だ。この世で良い物語以上に強力なものはない)

 タイウィン・ラニスターは武器を使わずとも、吟遊詩人に「キャスタミアの雨」を唄わせるだけで相手を服従させることができたという。ウェスタロスの民ならば誰もがレイン家の虐殺の物語を知っているからだ。

そして、あの物語の恐ろしさは我々視聴者こそが誰よりも深く理解している。(ぼくは

The Rains of Castamereの演奏を聴くと今でもドキッとする)

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引用元:Watch Game of Thrones Season 3 Episode 9 Online: The Rains of Castamere | HBO

 

その当事者でもあるウォルダー・フレイもまた、ウェスタロスに伝わる「ネズミのコック」の物語どおりに報いを受けることになった。*8

ゲーム・オブ・スローンズ』の世界には、ほかにも多くの"物語"が登場する。そのほとんどは劇中でわずかに語られるのみだが、そのすべてが劇中の展開にかかわる暗示や教訓となっているのだ。

それだけに、ティリオンのこのセリフはじつに説得力がある。

 

正確に言えば、ブランが見通すことができるのは"過去"であって"物語"ではない。物語とは、語り部によって都合よく脚色された過去である。

 

これまで多くの偉業を成し遂げてきたデナーリスの名前は、おそらく後世の歴史では狂王としてしか語られないのだろう。

ジョンもまた、王殺しとしての汚名だけが残るのかもしれない。

すべての発端であるロバートの反乱でさえも、「レイガーがリアナを誘拐した」という一方的な解釈によって始められたのだ。

レイガー・ターガリエンはロバート王のセリフの中では極悪人として語られているが、レイガーと近しかった者は彼を好人物と評している。そして結局のところ、リアナと駆け落ちした彼の真意は誰にもわからないままだ。

 

善悪は主観によって変わることを、この作品は一貫して描いてきた。

良い意味でも悪い意味でも、物語は恣意によって歪められるものだ。(「氷と炎の歌」の中にティリオンに関する記述がないというのもその一例かもしれない)

 

そしてこのドラマのラストでも、それを象徴するようなシーンがある。

 

キングズガードの総帥に就任したブライエニーは、ジェイミーの功績を書き記す。

その内容はたしかに事実であるが、正確ではない。ブライエニーの個人的な感情によって、それらはほんの少し好意的に歪められることになる。

このささやかな嘘がぼくは好きである。

ジェイミー・ラニスターは後世の人々に英雄として語られるに違いない。それが正しいか間違っているかは別として。

  

勝つか死ぬか 

シーズン1でのサーセイとネッド・スタークの会話を覚えているだろうか。

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引用元:Watch Game of Thrones Season 1 Episode 7 Online: You Win Or You Die | HBO

ジョフリー、ミアセラ、トメンの三人がロバートの嫡出の子ではないと判明した時のことだ。

王都を去るよう進言するネッドに対して、サーセイはこう言い放った。

When you play the game of thrones, you win or you die. There is no middle ground.

 (王位争奪戦では勝つか、死ぬか。妥協点はありません) 

 

ゲーム・オブ・スローンズ』の作風そのものを端的に表した代表的なセリフだ。

そしてその言葉どおり、王と呼ばれた者は全員死んだ。ただひとりジョンを除いて。

 

最終的に、ジョン・スノウは勝つことも死ぬこともできなかった。

王殺しの罪人として、永久に壁で生きることになった。

興味深いのは、彼の境遇がメイスター・エイモンのそれとまったく同じだということだ。

エイモン・ターガリエンもまた、次期王位にありながら政争に巻き込まれるのを避けるためナイツ・ウォッチの一員となった。

そしてジョン・スノウも、ターガリエンの呪いを受け継ぐことになったのである。「愛は義務を殺す」と言う教訓とともに。

壁の北へ向かったジョンは、ナイツ・ウォッチとして生きるのか、それとも自由民としての道を選ぶのか、はたまた壁の向こうの王となるのだろうか。 そもそも野人や亡者の襲撃のなくなった今ナイツウォッチになんの仕事があるのだろうか。

 

No one is very happy, which means it's a good compromise, I suppose.

(満足している者は誰もいない。それが良い妥協案である証拠かもしれない)

 

これはティリオンのセリフだが、ジョンに語りかけているように見えて、実際は視聴者に向けて投げかけられた言葉である。

あまりにも人気の高まりすぎた本作にとって、全員が満足できる結末など到底用意できるはずもない。視聴者それぞれの中に異なる理想像があるのだから。

有り体に言ってしまえば、「無難な落としどころを目指しました」ということなのだろう。

こうして、「妥協点はない」というサーセイの言葉とは裏腹に、『ゲーム・オブ・スローンズ』は妥協によって決着した。

 

正直不満は多い。このドラマには、日和ることなくもっともっと冒険してほしかった。

この結末を「正しかった気がしない」と語るジョンに対し、ティリオンはこう返す。

「十年後にまた聞いてくれ」と。

 

このやり取りも明らかに、製作者から視聴者への目配せである。

Ep6ではティリオンが製作者の主張を代弁するようなセリフが多かったように思う。

そのおかげで誰にとってもわかりやすくはなったけれど、一方でティリオンらしさが薄まってしまったような気がした。

 

原作を離れて以来、ドラマスタッフはティリオンの複雑なキャラクター性を持て余してしまっていたように感じる。

デナーリスの「女王の手」に就任して以降の彼にはほとんど見せ場がなかった。

本来であれば、デナーリスの凶行を食い止め、正しい道へと導くのがティリオンの役割だったはずだ。

ぼく自身も、なんだかんだ言ってティリオンがいるのだからデナーリスが道を踏み外すことにはならないのだろうなと楽観視していた。

しかし結局、製作陣がティリオンを扱いきれなかったのと同様に、ティリオンもデナーリスを扱いきれなかった。

 

仕方のないことだけど、原作が未完の状態なので製作陣は終盤のストーリーを(原作者のアドバイスがあったとはいえ)ゼロから作らなければならなかった。 

様々な伏線を活かしきることができず苦労したことと思う。

だからといって作り直しを求める署名運動なんかはまったくナンセンスだと思うけれど、違う展開も見てみたかったという気持ちは確かにある。

jp.ign.com

 ただ、最終章が満足できる出来でなかったからと言って、このドラマが積み上げてきたこれまでの功績がすべて無為になるわけではない。

ぼくの大好きなスタニス・バラシオンもかつてこう言っていたことだし。

A good act does not wash out the bad, nor a bad the good.

(善行は悪行を洗い流さない。逆もまた然りだ)

 やっぱスタニスって良いこと言うわ。 

 

あれだけ熱中していたのにもかかわらず最後はいろいろと複雑な気持ちで見終えることになってしまった『ゲーム・オブ・スローンズ』だが、これまで世界中を楽しませてくれたことと、いたずらに長引かせることなくしっかり完結させてくれたことには心から感謝したい。

そもそも本当にぶち壊しの最終回っていうのは『DEXTER』みたいなドラマのことを言うんですよ。

 

まだまだ書ききれなかったこともあったんだけど、すでにうんざりするほど書き散らかしてしまったのでこの辺で終わりたいと思う。

ここまでお読みくださった方がいればどうもありがとうございました。

Valar Morghulis!

 

  

そのほか印象的だった場面・セリフなど

  • ジェイミーがブライエニーに騎士の称号を与えるシーン。単なる冗談から厳かな場面に転換するのが感動的だった。
  • ダイアウルフの扱いがひどい。ゴーストとはなんだったのか。ナイメリアに至っては登場すらしなかった。
  • アリアとジェンドリーのベッドイン。思わず「えっ!?」って声出ちゃった。
  • かつて殺そうとしたブランを守って死んだシオン。良い最期だったけど、なんとか生きのびて罪を償ってほしかった。
  • リアナちゃんと巨人の一騎打ち。まんま進撃の巨人だった。
  • ジョラーの最期の言葉が「痛い…」の一言だったのが切ない。せめてKhaleesiって言わせてあげたかった。
  • ミッサンデイの"Dracarys"。あれがデナーリスの行く末を決定づけてしまった瞬間だと思うとなんとも罪深い発言である。
  • 今生の別れを悟り、最後の抱擁を交わすラニスター兄弟。このドラマ全編を通じてもっともエモーショナルな瞬間だった。
  • なんのために出てきたのかわからないゴールデンカンパニー。団長のなんとも言えないかませ犬感がツボすぎる。
  • 1秒で死んだクァイバーン。あまりにあっけなさすぎて笑ってしまった。
  • 突然始まるジェイミーvsユーロンのステゴロ対決。無念のうちに死んでいくキャラクターが多いこのドラマの中で、ユーロンの好き勝手やりきった感がなんだか面白かった。 
  • シーズン2の黒魔術師の館で見たシーンの再現。王都に降り積もっていたのが雪ではなく灰だったというミスリードには素直に感心させられた。
  • 「サンダー、ありがとう」(泣)
  • いつもスタニスに文法を正されていたダヴォスが、ブロンの文法を指摘するシーン。シリーン王女とのお勉強がちゃんと実を結んでいたのが嬉しい。シリーンちゃんだけは幸せになってほしかった……

 

原作はすでにドラマとは全然違う展開になっているので、どんな結末になるのかとても気になる。

ちなみにファンの間では完結より先に作者の寿命が来るだろうというのがもっぱらの定説。

マジで勘弁してくれ。

 

Valar Dohaeris.

(おわり)

 

 

*1:原題は"A Game of Thrones"。邦訳では『七王国の玉座

*2:ところで、メリサンドルはなぜシリオの言葉を知っていたのだろう?彼女のことなので何を知っていてもおかしくはないが、ひょっとするとエッソスではよく知られたフレーズだったりするのかもしれない

*3:わけても、OathkeeperとWidow's Wailはスターク家との因縁が深い剣である。この二本がウィンターフェルに揃ったということについてなにか言及があっても良さそうなものだ

*4:ドラマではカットされているが、原作のサーセイは「弟に殺される」と予言されている。この"弟"がティリオンを指していると思わせておいて実はジェイミーのことなのではないか、というのがファンの間での通説である

*5:ちなみに、この時のセリフ"Cripples, Bastards, and Broken Things" はこのエピソードのサブタイトルにもなっている

*6:ゲーム・オブ・スローンズ』の設定自体は15世紀の薔薇戦争をモチーフにしているとされている

*7:一応、原作だとマーテル家にはトリスタンの他にもうひとりクェンティンという息子がいる。彼だとするとこれまでなぜ登場しなかったのかという新たな疑問が生まれてしまうが

*8:「ネズミのコック」は客人を殺したことで裁きを受けたコックの話。S3Ep10でブランが言及している

2018年映画まとめ【下半期】

2018年に上映された中で見ることのできた映画を公開日順にまとめています。

今回は下半期(7月〜12月)の作品になります。

sia24601.hatenablog.com

  

 

 

ジュラシック・ワールド/炎の王国』(Jurassic World: Fallen Kingdom) 

言わずと知れた『ジュラシック』シリーズ最新作。

前作の『ジュラシック・ワールド』が初代のセルフオマージュになっていたのに対して、今作は二作目の『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』を意識した演出が多い。

前半の噴火する島からの脱出は今までに見たことのないスペクタルな演出でハラハラさせられたが、後半では屋敷の中の逃避行がメインとなりガラリと雰囲気が変わる。

この構成も二作目のオマージュなんだろうけど、前半がすごく良かっただけに後半の展開はちょっと物足りなかったかな。

『ジュラシック』シリーズって二作目以降はひたすらマンネリとの戦いだったので、今作でこれまでと違う新しい切り口を示してくれたのは評価できる部分だと思います。

ラストで風呂敷を広げすぎたせいで次回作が楽しみでもあり不安でもある。 

評価:6/10点

 

インクレディブル・ファミリー』(Incredibles 2)

Mr.インクレディブル』大好きなんですよ。

アメコミ映画が大ブームになってるこの時代にピクサーがどんなヒーロー像を見せてくれるのかとても楽しみにしてました。

意外だったのが、今作のメインとなるのがMr.インクレディブルではなく妻のイラスティガールの方だったということ。

戦う女性像と育児に奮闘する父親像という構図はなるほどイマドキのディズニーっぽい。

前作以上にスケールアップしたアクションは期待どおり楽しかったけど、映画としての完成度はやはり前作には及ばないなという印象。

「ヒーローの存在が人々を弱くする」というなかなか興味深いテーマが投げかけられるんだけど、それに対して特に答えを示すことなく終わってしまったのがもったいなかった。

とはいえファミリー向けのエンタメ映画としては十分に楽しめる作品だと思う。ちなみにぼくは公開初日に子どもたちに囲まれながらひとりで観ました。

いつの時代になってもヴァイオレットちゃんはカワイイね。

評価:7/10点

 

ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(MISSION: IMPOSSIBLE -FALLOUT

毎度トム・クルーズの身体が心配になるM:Iシリーズの最新作。

シリーズでははじめて同じ監督が続投しており、ストーリーも前作の『ローグ・ネイション』から地続きになっている。

M:Iシリーズは作品によってけっこう当たり外れが大きいんだけど、個人的に今作は『ゴースト・プロトコル』に並ぶ名作だと感じた。

言うまでもないことだけど、今回もアクションは見応えたっぷり。

ヘリでアクロバット飛行したり、ビルに飛び移って文字どおり骨を折ったり、スカイダイビングのスタントを100回以上こなしたり、マジで頭おかしい(褒めてる)。

今作は過去作を踏まえた演出が色々と散りばめられており、シリーズをずっと追ってきている人にとってはグッとくるシーンがラストに待っています。イーサンのこれまでの戦いが報われて本当に良かった。

とりあえずトムは命を大切にしてください。

評価:8/10点

 

オーシャンズ8』(Ocean's Eight)

オーシャンズ 8(字幕版)

オーシャンズ 8(字幕版)

 

女性キャストだけでリブートした新たなる『オーシャンズ』シリーズ。

舞台はラスベガスのカジノからメットガラのパーティ会場へ。

これまでのシリーズにはなかった、女性キャストならではの華やかさが感じられて良かった。

ただ、用意周到に計画が進んでいくのはいいんだけど、用意周到すぎてトラブルが全然起こらないんだよね。『オーシャンズ11』の時みたいなドタバタやどんでん返しが全然ない。

『11』では「1億ドル以上の現金をどうやって金庫から持ち出すのか?」という最大の関門をギリギリまで観客に伏せることでハラハラ感を演出していたが、今回盗むのは小さい首飾りなのでハウダニットとしての魅力も弱い。

やっぱりチラッとでもいいからジョージ・クルーニーブラッド・ピットに出演してほしかったというのが正直なところ。すでに撮影されていたマット・デイモンの出演シーンが諸事情でカットされてしまったというのが無念すぎる。 

次回作に期待してます。

評価:4/10点

 

アントマン&ワスプ』(Ant-Man and the Wasp

アントマン&ワスプ (字幕版)
 

世界最小のヒーロー『アントマン』シリーズの第二作目。

『インフィニティ・ウォー』の続きが気になってやきもきしてるファンをあえて焦らすかのような呑気な雰囲気が個人的にツボだった。

DCと掛け持ち出演のローレンス・フィッシュバーンや新ヴィランのゴーストも良い味出してます。

ただ、平和すぎてアクション部分では少し物足りない気はしたかな。 面白いアクションはほとんど予告編で見せちゃった感。まあ、サノスとの大バトルの後でハードル上がりすぎちゃってるから仕方ない部分はあるんだけど。

ルイスが自白剤打たれるシーンはマジで笑う。

評価:6/10点

 

クワイエット・プレイス』(A Quiet Place)

クワイエット・プレイス (字幕版)

クワイエット・プレイス (字幕版)

 

 

 

絶対に音を立ててはいけない世界で暮らす家族の物語。

ドント・ブリーズ』のフォロワー的な作品なんだけど、こういうアイディア一発勝負な映画は割と好き。

声を上げないよう手話で会話したり、足音を消すために床に粉を撒いたりと、劇中のキャラクターたちの生活の中に工夫が見られるのが面白い。

下手に世界観を広げすぎず、あくまでひとつの家族に焦点を絞ったのも好印象。

序盤は劇場全体が音を立てちゃいけないような緊張感で張り詰めていて本当にハラハラさせられた。それが良かっただけに、終盤ただのパニック映画になってしまったのが非常にもったいない。

みなさんも飛び出してる釘には気をつけましょう。

評価:4/10点

 

『あの頃、君を追いかけた』 

あの頃、君を追いかけた(通常盤) [DVD]

あの頃、君を追いかけた(通常盤) [DVD]

 

毎年100万本ぐらい公開されてる気がする青春恋愛ドラマ的な邦画の中のひとつ。全然見分けが付かない。

こういうジャンルには疎いんだけど友達に誘われたので見に行きました。男ふたりで。

台湾映画のリメイクということもあってか、話の脈絡に関係なく至るところで台湾要素が出てきて笑ってしまう。主人公の趣味が中国拳法て。

思いのほか普通に楽しめたけど、ヒロインの行動や動機に納得できない部分が多くてあんまり共感はできなかった。

あとこれはネタバレなんだけどラストで主人公が突然なろう作家になります。いやマジで。 

評価:3/10点

 

『ヴェノム』(Venom) 

ヴェノム (字幕版)

ヴェノム (字幕版)

 

マーベルの代表的ヴィランである「ヴェノム」を主役に据えたダークヒーロー物。

エディとヴェノムのコンビは好きだったんだけど、ヴェノムの心境の変化が唐突すぎてかなり違和感があった。

最悪のヒーローを謳っているわりに、暴力描写がごく控えめだったのも残念。

こういう作品こそ、しっかりレーティングを設けて思いっきりバイオレンスにやってほしかった。

駆け足気味だった後半とは逆に前半はちょっと間延びした感じだったので、ペース配分を上手くすればもっと良くなったんじゃないかなとは思う。

とりあえず『スパイダーマン3』みたいな謎ダンスが始まらなくてホッとしました。

続編はR指定で作ってくれ。 

評価:4/10点

 

ボヘミアン・ラプソディ』(Bohemian Rhapsody) 

Ayyyyy-Oh!!

世界的ロックバンドQUEENのボーカル、フレディ・マーキュリーの半生を描いた伝記映画。

QUEENの楽曲はそんなにたくさん知ってるわけではなかったんだけど、好きな曲は多いので普通に楽しみにしてました。

音楽はもちろん、フレディ自身の経歴を全然知らなかったのでストーリーも興味深かった。

何よりラストのライブシーンは圧巻。本当に会場にいるかのような気分に陥りました。人が歌ってる姿でこんなに感動させられたのは初めて。

ふだん映画の音響とかあんまり気にしたことないんだけど、この映画は本当にIMAXで見てよかったと思う。

家に帰ってからライヴ・エイドの実際の映像見てみたら再現度の高さにビビった。

評価:9/10点

 

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald)

ハリー・ポッターの新たな世界を描く『ファンタスティック・ビースト』第二弾。

原作者のJ・K・ローリングが自ら脚本を手がけているだけあって、前作同様世界観はユニークで魅力的。

ただ、今回は内容を詰め込みすぎてて新規のファンにはあまり優しくない構成だったと思う。

ストーリーラインが複雑すぎて、ハリー・ポッターオタクのぼくでさえ話についていくのがなかなか大変だった。

ダンブルドアとグリンデルバルドの戦いを描いた物語としてはたしかに興味深いんだけど、肝心のニュート・スキャマンダーが蚊帳の外になりつつあるんだよね。

これはあくまでもニュートの物語なんだから、本作の対立軸であるニュートとクリーデンスの間にもっと因縁や接点がほしいところ。

まだ残り三作もあることだし、長い目で見守っていきたいです。

あと、魔法動物ももっと出してあげて。

評価:5/10点

 

シュガー・ラッシュ:オンライン』(Ralph Breaks the Internet)

ヴァネロペちゃん、萌え。(死語)

ディズニー版『レディ・プレイヤー1』という表現がぴったりな作品。

マーベルにスターウォーズディズニープリンセスなど、キラーコンテンツが目白押しでとにかく賑やか。あらためてウォルト・ディズニー・カンパニーの力に恐れおののく。

まさかディズニー映画を見に行ってグランドセフトオートを見ることになるとは思わなかったよ。

インターネットを揶揄したようなネタも多くて、現代ならではの映画という感じが興味深い。

ただ、ストーリーについてはかなり賛否が分かれると思う。

シュガー・ラッシュ』は前作もディズニーらしからぬタブーに挑戦する意欲作だったんだけど、今作ではさらに一歩深く踏み込んでいます。

その試みは面白いし、たしかに言いたいこともわかるんだけど、そこに脚本が追いついていなくて説得力に欠けていた印象。

前作が好きであればあるほど今作の結末は納得がいかなかったんじゃないかな。ぼくも前作が大好きだったのですこし虚しい気持ちになってしまった。

それでも、今の時代だからこそ生まれた、ディズニーの過渡期を象徴する意義深い作品なんじゃないかと思います。

評価:7/10点 

 

  

※見たかったけどまだ見れてない2018年映画

キングスマン:ゴールデン・サークル

デトロイト

15時17分、パリ行き

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』

ウインド・リバー

プーと大人になった僕

『search/サーチ』

『アリー/スター誕生』

 etc.

 

パッと思いつくだけでもこんなにある。ちょっとずつチェックしていきたいです。

そして2019年も見たい映画たくさんあるので楽しみ。とりあえず早くアベンジャーズが見たい。

 

来年もよろしくお願いします。

2018年映画まとめ【上半期】

この記事では2018年上半期(1月~6月)に上映された映画の中で見ることができたものを公開日順にまとめています。

基本的にネタバレなしです。

一応整理のために10点満点で点数を付けていますが、とりあえずの参考程度ということでよろしくお願いします。

 

 

ダークタワー』(The Dark Tower)

ダークタワー (字幕版)

ダークタワー (字幕版)

 

スティーブン・キングの長編小説の実写化作品。

原作は読んだことないんだけど、それでもかなり内容を端折ったんだろうなっていうのが伝わってきた。やっぱりこの内容量で95分は短すぎる。

いろいろと面白そうな要素が多かっただけに、長編三部作ぐらいで作ってほしかったな。マシュー・マコノヒーとかイドリス・エルバみたいな人気俳優も揃ってるのにもったいない。

でも「我は銃で殺さぬ。銃で殺す者、父親の顔を忘却せり。我は心で殺す」っていう三節詠唱みたいなやつはめちゃめちゃ少年心をくすぐられた。

こういうダークファンタジーみたいなジャンルは大好きなので原作読んでみたい。

評価:4/10点

 

スリー・ビルボード』(Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)

娘を殺された母親が、なかなか犯人を捕まえられない警察に抗議するため三枚の看板を立てたことから始まる物語。 

この映画の面白いところは、とにかく展開の予想が全然つかないという点。「多分こうなるんだろうな」と思った方向には絶対に進んでくれない。

なにより、単純に善人・悪人で割り切ることのできない複雑な人間模様が興味深かった。

どの人間にも良い部分があれば悪い部分もあって、だからこそ彼らの存在にすごく人間味が感じられる。すべてのキャラクターに対する印象が初登場時と見終わった後とで180度変わってしまうんだから驚き。

全然スッキリとした終わり方ではないのに、なぜか後味が良いという不思議な映画。

ゲーム・オブ・スローンズ』のピーター・ディンクレイジもちょっぴり出演しています。

評価:7/10点

 

『RAW 少女のめざめ』(RAW)

ヴィーガンの女の子がある日突然人間の肉の味に目覚めちゃう話。

進学して新しい環境に戸惑ったり、心や身体の変化に悩んだりするティーンエイジャーのごくごくありふれた青春ドラマなんだけど、それをカニバリズム組み合わせるという発想がぶっ飛んでて笑っちゃう。

一見サイコホラーっぽい雰囲気を醸し出してはいるけど、毛色としてはブラックコメディに近い。

ヒロインの女の子が可愛いし、色の使い方など映像的にユニークな要素も多くて面白い。個人的にはわりとオススメの作品です。

ちょっぴり痛々しいシーンもあるので苦手な方は注意。  

評価:7/10点

 

グレイテスト・ショーマン』(The Greatest Showman)

19世紀に実在した興行師P.T.バーナムの挫折と成功の人生を描いたミュージカル映画

これまで見てきたミュージカル映画の中で、個人的に1、2を争うヒットだった。

この映画は大衆からの評判が良い一方で批評家からの評判が悪いんだけど、それ自体が劇中のバーナムの評価とリンクしててちょっと面白い。

実際、史実を意図的に捻じ曲げていたり偏見に対するメッセージを唐突に放り込んだりしていて、批評家受けが悪いというのは分かる気がする。

けど一観客としては最高に楽しめてしまったので、ぼくもバーナムに騙されたひとりなのかもしれない。

ちなみに個人的なイチオシ曲はやっぱりThe Greatest ShowThe Other Side

この映画が気に入ったっていう人は『レ・ミゼラブル』と『プレステージ』もチェックしてみてね。

評価:9/10点

 

空海ーKU-KAIー 美しき王妃の謎』

空海と白楽天のコンビが楊貴妃の死の謎に迫る東洋版『SHERLOCK』(?)

日本語版のタイトルは『空海』なんだけど、実際のところ空海は訳知り顔でニヤニヤ笑ってるだけであんまり何もしません。

CGはちょっと嘘っぽい部分もあったものの、長安の都のセットをはじめとした美術には見応えのあるものが多い。

SF色が強いのであまり謎解きって感じではないけれど、ふだんあまり見ないタイプの映画なのでなかなか楽しめた。こういうジャンル好きな人なら見て損はしないと思います。

あと阿部寛阿倍仲麻呂の役をやってるのがなんかウケる。 

評価:5/10点

 

シェイプ・オブ・ウォーター』(The Shape of Water)

半魚人と中年女性の恋愛を描く、あまりにもニッチすぎるラブロマンス。

どんな思考回路をしていればこんな奇妙奇天烈な映画が生まれるのか。

設定こそヘンテコではあるんだけど、その実マイノリティーの立場や多様性の在り方を扱ったなんともアカデミー受けしそうな社会派な作品。

話の筋は意外とオーソドックスで、ところどころ『グリーンマイル』を思い出した。

この映画における半魚人はマイノリティーの象徴的存在なんだけど、それ以外にもハンディキャップを抱える女性や同性愛者の男性、黒人の清掃婦にインテリの白人など、ステレオタイプをこれでもかと詰め込んで揶揄している感じが面白い。

現実と地続きの非現実を描くという点で同監督の『パンズ・ラビリンス』に通じる部分も多いので見比べてみるとより楽しめるかも。

一風変わった恋愛?が見たい方にはオススメです。

評価:6/10点

 

ブラックパンサー』(Black Panther

ブラックパンサー (字幕版)

ブラックパンサー (字幕版)

 

ワカンダ・フォーエバー!

マーベル・シネマティック・ユニバース第18作目は、国王とヒーローというふたつの顔を持った男の戦いを描く物語。

キャストやスタッフに多くの黒人を起用しているほか、脚本も人種問題や格差問題などを題材としており、非常に世相を反映した作品となっている。

「賢者は橋を架け、愚か者は壁を作る」といういささか直球すぎるセリフも手伝ってか、アメリカ本国では『インフィニティ・ウォー』を上回る異例の大ヒットを果たすまでになってしまった。

一方でヒーロー映画としての魅力もしっかり持っており、『シビル・ウォー』で描かれた復讐赦しというテーマ性を今作でも引き継いでくれていたのが嬉しかった。

ただ、まわりのキャラクターたちが個性的すぎるせいで主人公の存在感が完全に食われてしまっていたのが最大の問題点。

キルモンガーがかっこよすぎるのが悪いね。

評価:6/10点 

 

リメンバー・ミー』(Coco)

メキシコの伝統文化である「死者の日」を題材にしたディズニー・ピクサー作品。

この映画の見どころはなんと言っても映像と音楽。画面に映る光景すべてがものすごく色鮮やかで、いつまでも見ていたくなる。

ただ、死者の国という広大な舞台を設定したわりに意外と物語が広がらないのは残念。もっといろんな世界観を見せてほしかった。

でも、「死」という重いテーマを湿っぽくなりすぎないちょうどいい塩梅で描いているのはさすがピクサーといったところ。

ストーリーについては中盤ちょっとグダったように感じたんだけど、終盤の畳みかけるような伏線回収は本当に見事。ラストは『トイ・ストーリー3』以来久々にボロボロ泣いてしまった。

だってあそこであの歌はズルいでしょ。

評価:7/10点 

 

名探偵コナン ゼロの執行人』

三つの顔(トリプルフェイス)を持つ謎の男・安室透をメインに据えた劇場版コナン第22作目。

安室人気があまりにも高まりすぎて歴代ぶっちぎりの興行収入を叩き出してしまった。

彼のカッコいい活躍を楽しみにしていたファンにとってはこれ以上ない作品だと思います。福山雅治の主題歌も最高。

警察組織の機構や公安との力関係など原作ではあまり描かれない部分も踏み込んで描写しており、個人的にも今回はそういう内容を期待していたので満足度が高かった。

ただ今回のストーリーは小学生にはかなり難しかったんじゃないかな。これから見る人は公安警察の仕組みについてちょろっと予習しておくといいかもしれません。

みんなで風見刑事を応援しよう。

評価:7/10点

 

『レディ・プレイヤー1』(Ready Player One)

レディ・プレイヤー1(字幕版)
 

俺はガンダムで行く!

スピルバーグ監督が送る、80年代ポップカルチャー満載のエンタメ大作。当時の映画・ゲームネタがとにかく満載で楽しい。

レトロゲームネタはあまり拾えなかったんだけど、映画に関しては『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ジュラシック・パーク』『シャイニング』などなど往年の名作がたくさん出てきてそれだけで盛り上がる。

ただ、肝心のストーリーやキャラクターには正直あまり魅力を感じられませんでした。特にラストの主人公のメッセージはそれまでの展開ぶち壊しでかなり残念だった。

小ネタやオマージュをたくさん見たいという人にとっては完璧な映画だと思うけど、個人的にはもう一押しこの映画ならではの面白さが欲しかったです。

評価:5/10点

 

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(Avengers: Infinity War)

面白すぎる。同じ映画2回見に行ったのはじめてかも。

これだけの数のヒーローたちを物語のなかできちんと捌ききっていたのがなによりもすごい。もちろんキャラによって出番の多寡はあるんだけど、どのヒーローにもひとつは見せ場が用意されています。ヴィジョン以外

それぞれの作品のテイストを崩さずに面白い掛け合いを見せるのってものすごく難しいことだと思うんだけど、それを難なくやってのける製作陣の手腕には恐れ入ります。もうマーベルスタジオの方角に足を向けて寝られない。

2018年はぼくにとってアメコミ映画の年だったんだけど、この映画は本当に劇場で見られてよかったです。

すでに次回作のことで頭がいっぱいになっている。ホークアイマジ頑張れ。

評価:10/10点

 

デッドプール2』(Deadpool 2)

デッドプール2 (吹替版)

デッドプール2 (吹替版)

 

シリアスすぎる DCユニバース出身かよ

MARVEL映画の問題児、『デッドプール』の最新作。

『インフィニティ・ウォー』の直後に公開っていうのがまずオイシイよね。 ジョシュ・ブローリンをキャスティングしてくるあたりもニクい。

構成やペース配分については一作目のほうがまとまってると思うけど、スケールとふざけ具合は前作より圧倒的にパワーアップしていた。

やっぱり二作目となるとどうしても前作で感じたような新鮮さは薄れてしまうものだけど、そこを新キャラクターの投入などでうまくカバーしていたと思います。Xフォースの結成あたりから加速度的に面白くなっていった。

やっぱりマット・デイモンが出演する映画は名作なんですよね。

評価:8/10点 

 

カメラを止めるな!

カメラを止めるな!

カメラを止めるな!

 

ふだん邦画ってあんまり見ないんだけど話題になってたから見に行きました。ミーハーなので。

ネタバレになるので詳しい内容は書けないんだけど、予算が限られていても工夫次第でこういうユニークな映画が作れるってすごいですよね。

構成の面白さもそうなんだけど、本筋以外の部分でも登場人物たちのささやかな人間ドラマが盛り込まれているのが良かった。

話題になりすぎてややハードル上がりすぎてる感はあるけど、素直に見てシンプルに楽しむ作品かと思います。

時代はゾンビですよ。 

評価:7/10点

 

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(Solo: A Star Wars Story) 

ネタバレ:ハン・ソロが先に撃った。

興行収入的に苦戦した本作ですが、主演のオールデン・エアエンライクはじめ製作陣はベストを尽くしてたと思います。

やっぱりハン・ソロのスピンオフという企画そのものにあまり需要がなかったんじゃないかなあ。

スター・ウォーズってものすごくコアなファンが多いからそれぞれのハン・ソロ像があると思うし、そもそも彼の過去に興味があるっていう人がどれだけいるんだろう。

本編みたいに銀河の命運がかかっているわけでもないから、どうしても物語のスケールが小さく感じちゃうんですよね。

スター・ウォーズのスピンオフは、既存のキャラクターを掘り下げるよりも『ローグ・ワン』みたいにメインストーリーの補強や穴埋めをしていくのが良いんじゃないかなと思う。

評価:5/10点

 

 

やっぱ年の初めに見た映画はだいぶ記憶がおぼろげになっちゃってる。

後編へ続きます。   

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