この記事では2018年上半期(1月~6月)に上映された映画の中で見ることができたものを公開日順にまとめています。
基本的にネタバレなしです。
一応整理のために10点満点で点数を付けていますが、とりあえずの参考程度ということでよろしくお願いします。
- 『ダークタワー』(The Dark Tower)
- 『スリー・ビルボード』(Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)
- 『RAW 少女のめざめ』(RAW)
- 『グレイテスト・ショーマン』(The Greatest Showman)
- 『空海ーKU-KAIー 美しき王妃の謎』
- 『シェイプ・オブ・ウォーター』(The Shape of Water)
- 『ブラックパンサー』(Black Panther)
- 『リメンバー・ミー』(Coco)
- 『名探偵コナン ゼロの執行人』
- 『レディ・プレイヤー1』(Ready Player One)
- 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(Avengers: Infinity War)
- 『デッドプール2』(Deadpool 2)
- 『カメラを止めるな!』
- 『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(Solo: A Star Wars Story)
『ダークタワー』(The Dark Tower)
スティーブン・キングの長編小説の実写化作品。
原作は読んだことないんだけど、それでもかなり内容を端折ったんだろうなっていうのが伝わってきた。やっぱりこの内容量で95分は短すぎる。
いろいろと面白そうな要素が多かっただけに、長編三部作ぐらいで作ってほしかったな。マシュー・マコノヒーとかイドリス・エルバみたいな人気俳優も揃ってるのにもったいない。
でも「我は銃で殺さぬ。銃で殺す者、父親の顔を忘却せり。我は心で殺す」っていう三節詠唱みたいなやつはめちゃめちゃ少年心をくすぐられた。
こういうダークファンタジーみたいなジャンルは大好きなので原作読んでみたい。
評価:4/10点
我は目でブヒらぬ。目でブヒる者、アニメキャラの名前を忘却せり。我は心でブヒる。
— しあ (@123sheer) January 30, 2018
『スリー・ビルボード』(Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)
娘を殺された母親が、なかなか犯人を捕まえられない警察に抗議するため三枚の看板を立てたことから始まる物語。
この映画の面白いところは、とにかく展開の予想が全然つかないという点。「多分こうなるんだろうな」と思った方向には絶対に進んでくれない。
なにより、単純に善人・悪人で割り切ることのできない複雑な人間模様が興味深かった。
どの人間にも良い部分があれば悪い部分もあって、だからこそ彼らの存在にすごく人間味が感じられる。すべてのキャラクターに対する印象が初登場時と見終わった後とで180度変わってしまうんだから驚き。
全然スッキリとした終わり方ではないのに、なぜか後味が良いという不思議な映画。
『ゲーム・オブ・スローンズ』のピーター・ディンクレイジもちょっぴり出演しています。
評価:7/10点
『RAW 少女のめざめ』(RAW)
ヴィーガンの女の子がある日突然人間の肉の味に目覚めちゃう話。
進学して新しい環境に戸惑ったり、心や身体の変化に悩んだりするティーンエイジャーのごくごくありふれた青春ドラマなんだけど、それをカニバリズムと組み合わせるという発想がぶっ飛んでて笑っちゃう。
一見サイコホラーっぽい雰囲気を醸し出してはいるけど、毛色としてはブラックコメディに近い。
ヒロインの女の子が可愛いし、色の使い方など映像的にユニークな要素も多くて面白い。個人的にはわりとオススメの作品です。
ちょっぴり痛々しいシーンもあるので苦手な方は注意。
評価:7/10点
『グレイテスト・ショーマン』(The Greatest Showman)
19世紀に実在した興行師P.T.バーナムの挫折と成功の人生を描いたミュージカル映画。
これまで見てきたミュージカル映画の中で、個人的に1、2を争うヒットだった。
この映画は大衆からの評判が良い一方で批評家からの評判が悪いんだけど、それ自体が劇中のバーナムの評価とリンクしててちょっと面白い。
実際、史実を意図的に捻じ曲げていたり偏見に対するメッセージを唐突に放り込んだりしていて、批評家受けが悪いというのは分かる気がする。
けど一観客としては最高に楽しめてしまったので、ぼくもバーナムに騙されたひとりなのかもしれない。
ちなみに個人的なイチオシ曲はやっぱりThe Greatest ShowとThe Other Side。
この映画が気に入ったっていう人は『レ・ミゼラブル』と『プレステージ』もチェックしてみてね。
評価:9/10点
グレイテスト・ショーマン、配給会社とかのロゴが流れてる時点ですでに曲が始まってるところが好き
— しあ (@123sheer) December 6, 2018
『空海ーKU-KAIー 美しき王妃の謎』
空海と白楽天のコンビが楊貴妃の死の謎に迫る東洋版『SHERLOCK』(?)
日本語版のタイトルは『空海』なんだけど、実際のところ空海は訳知り顔でニヤニヤ笑ってるだけであんまり何もしません。
CGはちょっと嘘っぽい部分もあったものの、長安の都のセットをはじめとした美術には見応えのあるものが多い。
SF色が強いのであまり謎解きって感じではないけれど、ふだんあまり見ないタイプの映画なのでなかなか楽しめた。こういうジャンル好きな人なら見て損はしないと思います。
評価:5/10点
『シェイプ・オブ・ウォーター』(The Shape of Water)
半魚人と中年女性の恋愛を描く、あまりにもニッチすぎるラブロマンス。
どんな思考回路をしていればこんな奇妙奇天烈な映画が生まれるのか。
設定こそヘンテコではあるんだけど、その実マイノリティーの立場や多様性の在り方を扱ったなんともアカデミー受けしそうな社会派な作品。
話の筋は意外とオーソドックスで、ところどころ『グリーンマイル』を思い出した。
この映画における半魚人はマイノリティーの象徴的存在なんだけど、それ以外にもハンディキャップを抱える女性や同性愛者の男性、黒人の清掃婦にインテリの白人など、ステレオタイプをこれでもかと詰め込んで揶揄している感じが面白い。
現実と地続きの非現実を描くという点で同監督の『パンズ・ラビリンス』に通じる部分も多いので見比べてみるとより楽しめるかも。
一風変わった恋愛?が見たい方にはオススメです。
評価:6/10点
『ブラックパンサー』(Black Panther)
ワカンダ・フォーエバー!
マーベル・シネマティック・ユニバース第18作目は、国王とヒーローというふたつの顔を持った男の戦いを描く物語。
キャストやスタッフに多くの黒人を起用しているほか、脚本も人種問題や格差問題などを題材としており、非常に世相を反映した作品となっている。
「賢者は橋を架け、愚か者は壁を作る」といういささか直球すぎるセリフも手伝ってか、アメリカ本国では『インフィニティ・ウォー』を上回る異例の大ヒットを果たすまでになってしまった。
一方でヒーロー映画としての魅力もしっかり持っており、『シビル・ウォー』で描かれた復讐と赦しというテーマ性を今作でも引き継いでくれていたのが嬉しかった。
ただ、まわりのキャラクターたちが個性的すぎるせいで主人公の存在感が完全に食われてしまっていたのが最大の問題点。
キルモンガーがかっこよすぎるのが悪いね。
評価:6/10点
『リメンバー・ミー』(Coco)
メキシコの伝統文化である「死者の日」を題材にしたディズニー・ピクサー作品。
この映画の見どころはなんと言っても映像と音楽。画面に映る光景すべてがものすごく色鮮やかで、いつまでも見ていたくなる。
ただ、死者の国という広大な舞台を設定したわりに意外と物語が広がらないのは残念。もっといろんな世界観を見せてほしかった。
でも、「死」という重いテーマを湿っぽくなりすぎないちょうどいい塩梅で描いているのはさすがピクサーといったところ。
ストーリーについては中盤ちょっとグダったように感じたんだけど、終盤の畳みかけるような伏線回収は本当に見事。ラストは『トイ・ストーリー3』以来久々にボロボロ泣いてしまった。
だってあそこであの歌はズルいでしょ。
評価:7/10点
『名探偵コナン ゼロの執行人』
三つの顔(トリプルフェイス)を持つ謎の男・安室透をメインに据えた劇場版コナン第22作目。
安室人気があまりにも高まりすぎて歴代ぶっちぎりの興行収入を叩き出してしまった。
彼のカッコいい活躍を楽しみにしていたファンにとってはこれ以上ない作品だと思います。福山雅治の主題歌も最高。
警察組織の機構や公安との力関係など原作ではあまり描かれない部分も踏み込んで描写しており、個人的にも今回はそういう内容を期待していたので満足度が高かった。
ただ今回のストーリーは小学生にはかなり難しかったんじゃないかな。これから見る人は公安警察の仕組みについてちょろっと予習しておくといいかもしれません。
みんなで風見刑事を応援しよう。
評価:7/10点
ゼロの執行人の見どころ、頭抱えてる灰原哀ちゃん
— しあ (@123sheer) April 20, 2018
『レディ・プレイヤー1』(Ready Player One)
俺はガンダムで行く!
スピルバーグ監督が送る、80年代ポップカルチャー満載のエンタメ大作。当時の映画・ゲームネタがとにかく満載で楽しい。
レトロゲームネタはあまり拾えなかったんだけど、映画に関しては『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ジュラシック・パーク』『シャイニング』などなど往年の名作がたくさん出てきてそれだけで盛り上がる。
ただ、肝心のストーリーやキャラクターには正直あまり魅力を感じられませんでした。特にラストの主人公のメッセージはそれまでの展開ぶち壊しでかなり残念だった。
小ネタやオマージュをたくさん見たいという人にとっては完璧な映画だと思うけど、個人的にはもう一押しこの映画ならではの面白さが欲しかったです。
評価:5/10点
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(Avengers: Infinity War)
面白すぎる。同じ映画2回見に行ったのはじめてかも。
これだけの数のヒーローたちを物語のなかできちんと捌ききっていたのがなによりもすごい。もちろんキャラによって出番の多寡はあるんだけど、どのヒーローにもひとつは見せ場が用意されています。ヴィジョン以外。
それぞれの作品のテイストを崩さずに面白い掛け合いを見せるのってものすごく難しいことだと思うんだけど、それを難なくやってのける製作陣の手腕には恐れ入ります。もうマーベルスタジオの方角に足を向けて寝られない。
2018年はぼくにとってアメコミ映画の年だったんだけど、この映画は本当に劇場で見られてよかったです。
すでに次回作のことで頭がいっぱいになっている。ホークアイマジ頑張れ。
評価:10/10点
『デッドプール2』(Deadpool 2)
シリアスすぎる DCユニバース出身かよ
MARVEL映画の問題児、『デッドプール』の最新作。
『インフィニティ・ウォー』の直後に公開っていうのがまずオイシイよね。 ジョシュ・ブローリンをキャスティングしてくるあたりもニクい。
構成やペース配分については一作目のほうがまとまってると思うけど、スケールとふざけ具合は前作より圧倒的にパワーアップしていた。
やっぱり二作目となるとどうしても前作で感じたような新鮮さは薄れてしまうものだけど、そこを新キャラクターの投入などでうまくカバーしていたと思います。Xフォースの結成あたりから加速度的に面白くなっていった。
やっぱりマット・デイモンが出演する映画は名作なんですよね。
評価:8/10点
『カメラを止めるな!』
ふだん邦画ってあんまり見ないんだけど話題になってたから見に行きました。ミーハーなので。
ネタバレになるので詳しい内容は書けないんだけど、予算が限られていても工夫次第でこういうユニークな映画が作れるってすごいですよね。
構成の面白さもそうなんだけど、本筋以外の部分でも登場人物たちのささやかな人間ドラマが盛り込まれているのが良かった。
話題になりすぎてややハードル上がりすぎてる感はあるけど、素直に見てシンプルに楽しむ作品かと思います。
時代はゾンビですよ。
評価:7/10点
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(Solo: A Star Wars Story)
ネタバレ:ハン・ソロが先に撃った。
興行収入的に苦戦した本作ですが、主演のオールデン・エアエンライクはじめ製作陣はベストを尽くしてたと思います。
やっぱりハン・ソロのスピンオフという企画そのものにあまり需要がなかったんじゃないかなあ。
スター・ウォーズってものすごくコアなファンが多いからそれぞれのハン・ソロ像があると思うし、そもそも彼の過去に興味があるっていう人がどれだけいるんだろう。
本編みたいに銀河の命運がかかっているわけでもないから、どうしても物語のスケールが小さく感じちゃうんですよね。
スター・ウォーズのスピンオフは、既存のキャラクターを掘り下げるよりも『ローグ・ワン』みたいにメインストーリーの補強や穴埋めをしていくのが良いんじゃないかなと思う。
評価:5/10点
やっぱ年の初めに見た映画はだいぶ記憶がおぼろげになっちゃってる。
後編へ続きます。