2019年映画まとめ【上半期】

2019年上半期(1月〜6月)に公開された中で見ることのできた映画がこちらになります。

  

  

 

 

『ミスター・ガラス』(Glass)

ミスター・ガラス (字幕版)

ミスター・ガラス (字幕版)

 

アンブレイカブル』のその後を描いたM・ナイト・シャマラン監督最新作。

完全に初見お断りの内容なので、何を話してもネタバレになってしまうのがもどかしい。

『スプリット』のあの衝撃的なラストを見てからというもの期待半分不安半分で待ち望んでいた今作だったが、まさにシャマランにしか作れないシャマラン流のアメコミヒーロー映画だった。

シャマランの描くヒーロー像はどこまでも地味で、場違いである。アメコミ映画の持つ非現実的なテイストを現実に落とし込んだときの違和感を、あえてそのままに残しているのが面白い。「現実ではスーパーヒーローなんてこんなものだよ」と皮肉っているかのよう。

ダンの息子役に同じ俳優をキャスティングしていたり、過去作の設定を伏線として利用していたりと、様々なポイントでシャマラン監督の自作への愛が感じられたのも良かった。

ほかの誰にも真似のできない、唯一無二の作品だったと思う。期待していたものを見ることができて個人的には大満足。

ところでアニャ・テイラー=ジョイって角度によって可愛さが変わる気がする。

評価:8/10点

  

『フロントランナー』(The Front Runner)

1988年アメリカ大統領選挙。その最有力候補(フロントランナー)であったのにもかかわらず、スキャンダルによって失脚してしまったゲイリー・ハート上院議員の顛末を描いた伝記映画。

日本ではあまり知られていないゲイリー・ハートという人物だが、彼は時代の転換点にあって、その流れについていくことのできなかった政治家であった。

「政治家の政治能力とプライベートは切り離すべきか」という議論提起は有意義であるものの、いかんせん元々がハート議員の身から出た錆なので説得力に欠ける。

ハートが優秀な政治家だという話もセリフで語られるだけなので、実際に彼の政治手腕を見せるようなシーンがあればもっと主張に深みが増したんじゃないかと思う。

ヒュー・ジャックマンが好きなので関心を持てたけど、風刺映画としてはすこし物足りない内容だった。あと一歩突っ込んだ展開が見られるとよかったな。

ちなみに、本作の監督を務めたジェイソン・ライトマンの『サンキュー・スモーキング』は個人的にイチオシの映画なのでぜひチェックしてみてください。

評価:4/10点

 

『アクアマン』(Aquaman)

アクアマン(字幕版)

アクアマン(字幕版)

 

低空飛行気味だったDCユニバースがついに復活の狼煙を上げる。

ゲーム・オブ・スローンズ』のジェイソン・モモアがまたしても王位を巡って激しいバトルを繰り広げる海洋アクションアドベンチャー映画。

水中戦が得意という設定なのに『ジャスティス・リーグ』では地上でばっかり戦わせられてたアクアマンだが、今作ではその本領を遺憾なく発揮している。

海中での壮大なバトルシーンは本当に圧巻だったが、それにとどまらず砂漠やシチリアなど地上の様々な景色を見ることができたのも良かった。

バトル・爆発・バトル・爆発と目まぐるしく場面が転換していくのでとにかく見ていて飽きる瞬間がない。困ったらとりあえず爆発でシーンを繋ごうとするの笑っちゃう。

それから、一ヶ所いきなりホラーチックな演出になるシーンがあるんだけど、そこの転調がすごくユニークだと思った。ホラー映画出身のジェームズ・ワンが監督してるだけある。

なんといってもアクアマンのことが好きになれる映画として仕上がっていたので良かった。あらためて『ジャスティス・リーグ』の前にやればよかったのにと思わずにはいられない。

はやくサイボーグのことも救ってやってくれ。

評価:8/10点

 

ファースト・マン』(First Man)

ファースト・マン (字幕版)

ファースト・マン (字幕版)

  

「これは小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」

人類で初めて月面に立った男、ニール・アームストロング船長の内面に迫った作品。

デイミアン・チャゼル監督はこれまで『セッション』『ラ・ラ・ランド』など音楽を題材にした賑やかな作品で成功を収めてきたが、今作は打って変わって「静寂」が印象的な映画だった。

本作で描かれるアームストロングはとても寡黙で内省的な人物であり、感情を表に出すということを滅多にしない。物語は静かにじっくりと進んでいくため、アームストロングの心の内に寄り添うことができる反面、やや退屈に感じる瞬間も多かった。

個人的にこの映画で一番好きだったのが、月面着陸の瞬間をあえてドラマティックに演出しようとせず、あくまで淡々と(それでいて美しく)映していたところ。

彼にとって月面着陸とは念願の夢などではなく、単なる任務の一環であり、過去への清算にすぎない。そんなアームストロングの人間性を端的に象徴しているような素晴らしい描き方だと感じた。

誰にでもオススメできる楽しいエンタメ映画とは言いがたいが、深く印象に残る映画だったことは間違いない。

中盤ちょっとウトウトしちゃったのは内緒。

評価:5/10点

 

アリータ:バトル・エンジェル』(Alita: Battle Angel)

日本の漫画『銃夢』を原作としたスペクタクルSFアクションムービー。

アリータちゃんの独特なキャラクターデザインで話題になった本作だったが、実際見てみると全然気にならないどころかむしろ愛らしく思えてくるからスゴい。くりくりしたお目目がキュートだった。

サイバーパンクな世界観やCGゴリゴリの義体アクションバトルがてんこ盛りで、まさしくIMAX3Dが映える作品。この手のジャンルが好きな人にはたまらないと思う。

ただ、キャラクターの動機がイマイチ理解できなかったり、同じ中ボスとのバトルが何回も繰り返されたりと、ストーリー面では引っかかる部分も多かった。

なにより、気になる要素を色々と散りばめておきながら中途半端なところで話が終わってしまったのが最大のマイナスポイント。完全に続編ありきなんだろうけど、少しくらいは話をまとめる努力をしてほしかった。

でもアリータちゃんが可愛かったので次回作出たらたぶん見ちゃうと思う。

評価:6/10点 

 

女王陛下のお気に入り』(The Favourite)

女王陛下のお気に入り (字幕版)
 

ごめんあそばせ、宮廷では良心は不用品よ。

女王陛下の寵愛を巡ってふたりの女官が醜い争いを繰り広げるヨルゴス・ランティモス監督最新作。

ランティモス作品は前作『聖なる鹿殺し』しか見たことがないんだけど、独特な画角や音楽を用いてイヤ〜な雰囲気を演出するのがものすごくうまいと思った。『ファニーゲーム』の空気感に近い。

今作もその演出は健在だったのだが、宗教色が強すぎてイマイチ理解できなかった前作と比べて比較的わかりやすいストーリーだったのでホッとした。

一応史実に基づいた世界観ではあるらしいんだけどあんまり伝記物という感じはなくて、どちらかというと寓話っぽい印象を受ける。

オリヴィア・コールマンエマ・ストーンをはじめとするキャスト陣の力によって不穏すぎるドロドロした人間関係が見事に表現されており、かなりハラハラしながら最後まで楽しむことができた。18世紀の英国貴族社会を再現した美術やファッションも見どころのひとつ。

それにしても女の人って怖いね。

評価:6/10点

 

スパイダーマン:スパイダーバース』(Spider-Man: Into the Spider-Verse)

コンニチワ〜ハジメマシテヨロシク〜!

ペニー・パーカーちゃんマジでカワイすぎ。

すべてのスパイダーマン映画を過去のものにするまったく新しいCGアニメ映画。

この映画のもっとも素晴らしいところはなんと言ってもそのグラフィック。アメリカンコミックのテイストをそのままアニメの世界に落とし込んでいるのがスゴい。3Dにも違和感なく溶け込んでいて本当に度肝を抜かれた。

個性豊かなキャラクターたちによって展開されるストーリーも負けず劣らず魅力的で、主人公であるマイルスとピーター双方の成長ドラマがしっかりと描かれていたのが良かった。

これまでのスパイダーマン映画が大いなる力を持ってしまったがゆえの孤独を描いてきたのに対して、この映画では「特別な存在はひとりじゃない」という優しいメッセージ性を含んでおり、そこも好きなポイントだった。

そしてなによりペニーちゃんが可愛い。もちろんグウェンちゃんも可愛い。

映画好きもアニメ好きもヒーロー好きもぜひとも一度は見てほしい作品。今回ぼくは字幕版で見たんだけど、吹替版も非常に気になるところ。

そういえば、声優としてマハーシャラ・アリが出演していたと後から知って驚いた。『アリータ』にも出てたし、最近いろんなところで見かけるからスゴいなあ。

評価:9/10点

 

『グリーンブック』(Green Book) 

グリーンブック~オリジナル・サウンドトラック

グリーンブック~オリジナル・サウンドトラック

 

そのマハーシャラ・アリが『ムーンライト』に続いて二度目のオスカーを獲得した作品。

人種の垣根を超えて友情を深めていく男たちの実話に基づいた心温まるヒューマンドラマだった。要するに『最強のふたり』。

天才黒人ピアニスト・シャーリーと粗野なイタリア系用心棒・トニーの凸凹コンビは見ていて面白く、ふたりの絆が強まっていく過程も丁寧に描写されていたのが良かった。

アカデミー賞でも作品賞を含めた三冠に輝いた本作なのだが、『ムーンライト』や『ドリーム』のような映画と比べるとややインパクトに欠ける気はする。

「こうなってほしいな」と思ったとおりの展開になるので見ていて気持ちいいんだけど、話そのものは正直ありふれているし、意外性や新鮮味はあまり感じない。

なんていうか、10年前ならわかるけど今の時代あえて作品賞に選ぶような映画なのかな?という印象を受けた。

でもアメリカ南部をふたりで旅していくロードムービー的な雰囲気は純粋に楽しかったし、多くの人が好きになれる素敵な映画だったと思う。

これ見た後はケンタッキーフライドチキンが食べたくなる。

評価:7/10点

 

『運び屋』(The Mule

運び屋(字幕版)

運び屋(字幕版)

 

家族と疎遠になった孤独な老人が金のためにドラッグの運び屋を始める物語。ニューヨークタイムズマガジンに掲載された実際の記事が原案になっているらしい。

あらすじだけ見ると『ブレイキング・バッド』のようなハードな内容を想像してしまうが、意外にライトな毛色の作品だった。

とくに好きだったのがクリント・イーストウッド演じる主人公アールのキャラクター。てっきり『グラン・トリノ』みたいな頑固な役柄なのかと思ってたけど、茶目っ気たっぷりな性格で面白かった。どんどんヤバい事態になってるのに本人はいたって飄々としてるのがツボ。

ここのところ監督業に専念していたイーストウッドが今作では久々に主演を兼任したわけだが、「仕事に夢中になるあまり家族をないがしろにしてしまった男」という人物像をイーストウッド自身が演じているのがなんとも興味深く、説得力を感じる。

アメリカン・スナイパー』で主演を務めたブラッドリー・クーパーとの共演も見応え十分だった。

今年で89歳になるイーストウッドだが、まだまだ良い映画をたくさん撮ってほしい。

評価:8/10点

 

キャプテン・マーベル』(Captain Marvel)

キャプテン・マーベル (字幕版)
 

アベンジャーズの最終兵器、キャプテン・マーベルがついに登場。

『ルーム』で素晴らしく繊細な演技を見せてくれたアカデミー女優ブリー・ラーソンがモヒカンヘアーで飛行してる映像はなんだか笑いを誘う。でも90年代グランジ・ファッションは似合っててカッコよかった。

そしてサミュエル・L・ジャクソンを25年前にまで若返らせる映像技術の進歩にはビックリ。ワンシーンだけでなく全編通してCG処理してるのがスゴい。

MCU作品というだけである程度の面白さは保証されてるんだけど、単体の映画として見たときに惹きつけられるものはあまり無かったかな。

キャプテン・マーベルはたしかに最強なんだけど、両手からフォトンブラストをぶっ放すだけで勝てちゃうのでバトルシーンはすこし単調に感じてしまう。

とはいえ、思わずニヤリとさせられるファンサービスが随所に散りばめられているのは楽しかったし、彼女の『エンドゲーム』への参戦が楽しみになる作品ではあった。

ニック・フューリーが片目を失った悲惨な事件は涙なしには語れない。

評価:5/10点

 

『ブラック・クランズマン』(BlacKkKlansman)

新米の黒人警官が白人至上主義団体KKKに潜入するというノンフィクション小説を元にした映画。

予告編を見て興味をそそられたんだけど、期待どおりの面白い映画だった。これが本当にあった話だというのだから驚き。

レイシストたちとの戦いをユーモアたっぷりに描きながらも、要所要所でピリッと風刺を効かせている。楽しいだけでなく、最後には冷や水を浴びせられたような気分になるような構成が印象的だった。

あと、主人公の相棒を務めるアダム・ドライバーのキャラクターがかなり良い味を出してたと思う。『スター・ウォーズ』でカイロ・レンを演じてる時は特別好きというわけでもなかったんだけど、この映画を見てかなりファンになった。

スパイク・リー作品を見るのは今回が初めてだったんだけど、他の作品もチェックしてみたい。

評価:7/10点

 

名探偵コナン 紺青の拳』

シリーズ初の海外へと舞台を移し、とうとうシンガポールにまで死を運んでしまった劇場版名探偵コナン第23弾。

最近のキッド映画はコナンとキッドのバディ物としての要素が強いんだけど、個人的には『世紀末の魔術師』みたいなミステリアスな雰囲気のキッドが好きだったので今の路線はちょっと物足りなく感じる。

海外×キッド×京極ということでどんなトンデモ映画になってしまうのかと不安に思ってたものの、最低限ミステリ映画としての体は成していたのでホッとした。ただ犯人が森谷帝二なみにわかりやすかったのはどうかと思うのよ。

これまでにない異国情緒は新鮮だったし、相変わらずクレイジーなアクションシーンも堪能できたので良かった。

しかしそのすべてが霞んでしまうくらいにシリーズ最大級の衝撃だったのは、まさかの園子が可愛く見えたということ。マジで『異次元の狙撃手』のラストよりもビックリした。こんなことがあっていいのか。

評価:5/10点

 

アベンジャーズ/エンドゲーム』(Avengers: Endgame)

Avengers…Assemble!

壮大なインフィニティ・サーガを見事にまとめあげた、完結編にふさわしい内容だった。

これまでのMCU映画はそれ単体で見た人でもある程度楽しめるように作られていたけど、今回に限っては本当にシリーズのファンだけに向けた物語だったのが潔い。

そういう意味で、ひとつの作品としてフェアに評価するのがとても難しい作品でもある。

バトルに次ぐバトルだった『インフィニティ・ウォー』と比べると、静かなシーンが多かった印象。前半はちょっとペース遅いかな?と感じてしまったけど、それも含めてヒーローたちの失意や苦悩を感じさせる演出になっていたのはよかった。

後半はとにかくファンサービスと作品愛にあふれた展開になっており、セルフオマージュやゲスト出演なども目白押しで本当に楽しい。

アイアンマンやキャプテン・アメリカの引退作品でもあった今作だが、彼らのヒーローとしての生き様を描きあげたドラマとしても見応えのあるものだった。

あえて言うとしたら、サノスの主張に対するヒーロー側のアンサーをもうすこし掘り下げてくれてもよかったなとは思う。ヒーローたちの逆襲に尺を費やさなくてはならない都合上、前作ほどサノスの存在に深いドラマ性を感じられなかったのはちょっぴりもったいなかった。

あれも見たいこれも見たいなどと言い出せばキリがないが、風呂敷をたためない作品が多い中で、ひとつの物語としてしっかり有終の美を飾ってくれたことが本当に素晴らしい。

満を持してのアッセンブルが見られただけでもう感無量です。

3000回愛してる。

評価:10/10点

 

『シャザム!』(Shazam!)

シャザム!(字幕版)

シャザム!(字幕版)

 

MARVELに追いつけ追い越せDCEU最新作。

ティーンエイジャーの少年が、「シャザム!」と叫ぶことで最強のヒーローに変身する能力を手に入れてしまう。

予告編を見た感じコメディ色の強い映画なのかと思ってたんだけど、それだけでなく家族ドラマとしての要素もしっかり盛り込まれていたのが良かった。

とくに主人公の義兄弟でありサイドキックでもあるフレディとの関係性が好き。他人同士だった人間が本物の家族になるみたいな話に弱いので、終盤の展開はグッときてしまった。

ただ、主人公サイドが比較的明るいトーンなのに対して敵サイドのストーリーがかなりシリアスなので、そこのミスマッチ感はちょっと気になったかな。

その他トム・ハンクスの『ビッグ』のオマージュがあったりしたのが個人的に嬉しいポイントだった。

今後ジャスティス・リーグに合流する予定があるのかはわからないけど、こいつとスーパーマンがいれば他のヒーロー要らなくなってしまうのではという懸念はある。

当ブログはDC映画を応援しております。

評価:7/10点 

 

バイス』(Vice)

"史上最凶の副大統領"ディック・チェイニーの半生を題材にした風刺映画。

副大統領でありながら大統領以上の影響力を持っていたとも噂され、様々な憶測の飛び交うチェイニー副大統領の実像に大胆な切り口で迫っている。

本作の監督を務めたのは『マネー・ショート』で監督賞にノミネートされたアダム・マッケイであり、前作同様に笑えないような重いテーマをわかりやすくユーモラスに描くのが抜群にうまい。

キャスト陣の多くも『マネー・ショート』から続投しているのだが、チェイニー副大統領を演じたクリスチャン・ベールの変幻自在っぷりには毎回驚かされる。知らなかったら彼だと気づけなかったかもしれない。

アメリカ政治に詳しくなくてもしっかり楽しめ、それでいて考えさせられるユニークな作品だった。

ちなみに『バイス』というタイトルはVice President(副大統領)とVice(悪徳)のダブルミーニングになっているらしいですよ。

評価:8/10点 

 

『名探偵ピカチュウ』(Pokémon Detective Pikachu)

「名探偵ピカチュウ」オリジナル・サウンドトラック

「名探偵ピカチュウ」オリジナル・サウンドトラック

 

同名ゲームのハリウッド実写版映画。

CGで再現されたリアルなポケモンたちの姿でなにかと注目を集めた本作だが、絶妙なラインで愛着を感じられるデザインに仕上がっていたのがすごい。

なにかと失敗しがちなゲーム映画ではあるが、本作はポケモン作品への愛が感じられる良い実写化だったと思う。

ぼくは小さい頃からポケモンが大好きだったんだけど、バトルや育成よりもストーリーや世界観に強い魅力を感じていた口なので、本作の人間とポケモンの描かれ方はとても興味深く見ることができた。ポケットモンスターSPECIALとかいいよね。

ライアン・レイノルズ演じるピカチュウのキャラクターは期待どおりユーモラスだったし、主人公とのバディの雰囲気も好きだった。

なにより、ポケモンという要素をうまく物語に絡めつつも、それ一辺倒になるのではなく、消えた父親の影を追う少年の成長と家族愛がちゃんと描かれていたのがイイ。最後はちょっとウルっとしちゃう。

だからこそ、この作品は良いポケモン映画であった以上に、良い親子ドラマ映画であったと言いたい。

そして渡辺謙は今回も何もしなかった。

評価:7/10点

 

『アラジン』(Aladdin)

アラジン オリジナル・サウンドトラック デラックス盤

アラジン オリジナル・サウンドトラック デラックス盤

 

ディズニー不朽の名作アニメ『アラジン』の実写版。

映画館では字幕で見ることが多いんだけど、今作に限ってはCV:山寺宏一ジーニー/ウィル・スミスが見たい一心でわざわざ吹替版を見に行った。

色々と批判されがちなディズニー実写映画ではあるが、『アラジン』の他のディズニー映画にはないアラビアンな雰囲気は実写化映えするし、ウィル・スミス演じるジーニーも想像以上にハマっていた。

そしてこの映画の見どころはやっぱりミュージカルパート。ぼくは"フレンド・ライク・ミー"が特に好きなんだけど、吹替だと訳し方や歌い方の違いが比較できて面白かった。

それ以外にも、本作にはオリジナル版にはなかったアレンジが色々と加えられてたんだけど、それがうまくいってる部分とそうでない部分があったように思う。

個人的に、ジャスミンに与えられた新曲は『アラジン』の世界観にあまり馴染んでいない気がした。最近のディズニーが強い女性像を描こうとしているのはわかるんだけど、すでに完成されているストーリーを無理に変えることはないんじゃないかなあ。

ディズニーはこの先も実写化作品が山ほど控えているので今後にも注目したい。『リトル・マーメイド』とかどうなるんだろう。

評価:6/10点 

 

メン・イン・ブラック:インターナショナル』(Men In Black: International)

Men In Black: International (Original Motion Picture Score)

Men In Black: International (Original Motion Picture Score)

 

マイティ・ソー バトルロイヤル』のクリス・ヘムズワーステッサ・トンプソンがタッグを組んだ新生MIBシリーズ。

キャストも予告編もいい感じだったから期待してたんだけど、ちょっとガッカリな映画だった。

今回は「MIB内部にいる裏切り者を探す」というのが主なストーリーラインなんだけど、オチがありきたりすぎるしミスリードや伏線の回収も雑。

クリス・ヘムズワースは大好きなんだけど、本作のエージェントHのキャラクターにはあまり魅力を感じられなかった。

本作は過去シリーズを見ていなくても大丈夫なように作られているのだが、それにしても伝説のエージェントだったはずのJとKに対する言及が一切ないというのはすこし寂しい。

結局、オリジナル版の良かった要素があまり引き継がれてないんだよね。MIBの設定とガジェットだけ拝借した別物の映画という感じ。

メン・イン・ブラック』はもともとそこまで完成度の高い映画だったというわけではないんだけど、外連味のある都市伝説めいた世界観と凸凹コンビの掛け合いが魅力の作品だった。今作はそこをうまく描けていなかったせいで、クセのない平凡な作品になってしまったのだと思う。面白くなりそうな要素がたくさんあっただけになんだかもったいない。

ただ、敵の双子エイリアンはビジュアルもアクションもスタイリッシュでめちゃめちゃイカしてた。あいつらをもっと見たかったなあ。

評価:3/10点 

 

X-MEN: ダーク・フェニックス』(X-MEN: Dark Phoenix

X-Men: Dark Phoenix (Original Motion Picture Soundtrack)

X-Men: Dark Phoenix (Original Motion Picture Soundtrack)

 

ジーン・グレイの隠された力がついに明かされる『X-MEN』シリーズ最新作。

この話前にも一度やったような気がするんだけど。ジーン何回暴走するんだ。

本作に限らずどの作品でもそうなんだけど、ぼくはどうやら「力が暴走して制御できなくなる」という展開があまり好きではないらしい。なんというか、なんでもアリな感じになっちゃうからイマイチ面白いと思えないんだよね。

多くの人が期待していたであろうクイックシルバーの見せ場がほとんどなかったのも残念。

それ以外にもメインキャラクターのひとりが突然退場してしまったりと脚本には色々と気になるところが多かったんだけど、これまで積み重ねてきたプロフェッサーとマグニートーの物語がひとまず着地できたのは良かったと思う。

なにより、今作はマグニートーのアクションが過去最高にかっこよかった。あの列車のバトルシーンのためだけにでもこの映画を見る価値はある。

ところで今回の映画って『フューチャー&パスト』の世界とは繋がってるのかな? X-MENシリーズはタイムラインが複雑すぎてもうわけわかんない。

評価:5/10点

 

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(Spider-Man: Far From Home)

Spider-Man: Far from Home (Original Motion Picture Soundtrack)

Spider-Man: Far from Home (Original Motion Picture Soundtrack)

 

アイアンマンに代わって世界の平和とMCU興行収入の未来を一身に背負うことになってしまったスパイダーマンの新たな戦いが始まる。

ジェイク・ギレンホールが好きなので彼の活躍を楽しみにしてたんだけど、今回のミステリオはまさにハマり役だった。

そしてついにメインヒロインの座に昇格したMJも、あのダークな雰囲気が今までのヒロインに無い感じですごく可愛かった。MJが魅力的っていうだけで鑑賞のモチベーションが変わってくるのでここは非常に重要なポイント。サム・ライミ版の悲劇を繰り返さなくて本当によかった。

ただ、個人的に前半の旅行パートはそれほどのめり込めなかった。ピーターが女の子を追いかけるというストーリーラインは前作とまったく同じだし、恋敵の存在もあまり面白いと思えなかった。親友ネッドの出番が少なかったのも残念。

なにより、ピーターがMJに惹かれる過程は物語上とても大切な部分だったと思うので、そこは簡単に飛ばしてほしくなかったな。

一方で、ストーリーの方向性が見えてきた後半からはかなり面白かった。ネタバレになるから詳しくは書けないけど、今作のヴィランとの戦いは映像面でもすごくオリジナリティがあって心を掴まれた。

前作ではあまり見られなかった街中でのスイング・アクションもたっぷり見られて満足。

アイアンマンの魂を受け継ぐという意味で、良いバトンタッチとなった作品だったと思う。これからのMCUの展開にも期待が高まる。エンディング後のあの人の登場にはビックリ。

それにしても毎度「とりあえず全部トニーのせいにしとけばいいや」な脚本には笑っちゃうんだけどもう少しなんとかならないのか。いや、面白いからいいんだけどね。

評価:7/10点 

 

 

※下半期に見ようかなーと思ってる映画


トイ・ストーリー4』7月12日公開 

『天気の子』7月19日公開

ワイルド・スピード/スーパーコンボ』8月2日公開

ライオン・キング』8月9日公開

ロケットマン』8月23日公開

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』8月30日公開

ガーンジー島の読書会の秘密』8月30日公開

『アド・アストラ』9月20日公開

ジョン・ウィック:パラベラム』10月4日公開

『ジョーカー』10月4日公開

『イエスタデイ』10月11日公開

ジェミニマン』10月25日公開

ターミネーター:ニュー・フェイト』11月8日公開 

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』12月20日公開

 

上半期と比べると、絶対見たい!って映画はそんなに多くないかも。

今年の前半はあまりアニメやドラマが見られなかったので、後半からはそっちも頑張れたらいいなと思います。

(おわり)