明けましておめでとうございます。
2019年下半期(7〜12月)に公開された中で見ることのできた映画は以下のとおりです。
- 『トイ・ストーリー4』(Toy Story 4)
- 『天気の子』
- 『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』 (Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw)
- 『ライオン・キング』(The Lion King)
- 『ロケットマン』(Rocketman)
- 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(Once Upon a Time In Hollywood)
- 『アス』(Us)
- 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』
- 『アド・アストラ』(Ad Astra)
- 『ジョン・ウィック:パラベラム』(John Wick: Chapter 3 - Parabellum)
- 『ジョーカー』(Joker)
- 『エル・カミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』(El Camino: A Breaking Bad Movie)
- 『イエスタデイ』(Yesterday)
- 『空の青さを知る人よ』
- 『ジェミニマン』(Gemini Man)
- 『ターミネーター:ニュー・フェイト』(Terminator: Dark Fate)
- 『ベル・カント とらわれのアリア』(Bel Canto)
- 『ブライトバーン/恐怖の拡散者』(Brightburn)
- 『アナと雪の女王2』(Frozen 2)
- 『ゾンビランド:ダブルタップ』(Zombieland: Double Tap)
- 『アイリッシュマン』(The Irishman)
- 『ドクター・スリープ』(Doctor Sleep)
- 『ラスト・クリスマス』(Last Christmas)
- 『マリッジ・ストーリー』(Marriage Story)
- 『ジュマンジ/ネクスト・レベル』(Jumanji: The Next Level)
- 『屍人荘の殺人』
- 『テッド・バンディ』(Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile)
- 『2人のローマ教皇』(The Two Popes)
- 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(Star Wars: The Rise of Skywalker)
『トイ・ストーリー4』(Toy Story 4)
ピクサー最新作は、『トイ・ストーリー3』のその先を描く物語。
今作では「玩具の幸せは子どもに遊んでもらうことだけなのか?」という彼らの存在意義に踏み込んだテーマを扱っている。
個人的に『3』が本当に大好きなので今作は蛇足になるんじゃないかと不安に思ってたんだけど、案の定そのとおりになってしまった。
この映画は去年公開された『シュガー・ラッシュ:オンライン』とまったく同じ問題を抱えていて、伝えたいテーマ性に対する説得力が圧倒的に不足している。
前作が素晴らしかったのは、「持ち主が大人になってしまったらおもちゃたちはどうなるのか?」という作品の性質上けっして避けてはとおれない命題をしっかり踏みこんで描ききったところにある。これはこの作品でなくては描けないテーマだし、『2』から10年という間隔も有効に作用していた。焼却炉のシーンで明確におもちゃたちの命(=存在意義)の終わりを仄めかしたのも印象的だった。
今作はまず新キャラクターに魅力をあまり感じられないし、物語の大部分がアンティークショップからの脱出劇に終始するので世界観が急激に狭まったように感じる。
近年のディズニー映画は"役割からの脱却"を物語の主軸に据える傾向があるんだけど、そういうテーマでやるにしては登場人物の動機づけが弱いし、どうしてもこの作品でやらなければならないという必然性も薄い。
単純にぼくが『1』〜『3』に対する思い入れが強すぎるあまり否定的に見てしまう向きもあるのかもしれないけど、あの傑作の続編を作るという判断をした以上はもっと上手に作ってほしかったな。なんだか水を差されちゃった気持ち。
評価:3/10点
トイストーリー4、ストーリー以前に声優が変わっちゃったキャラが結構多かったのが普通に悲しかった
— しあ (@123sheer) 2019年8月13日
『天気の子』
新海誠作品は『君の名は。』しか知らないけどもちろん見に行きました。ミーハーなので。
天野陽菜ちゃんの太ももばっかり見てたからどのくらい内容を理解できてたか怪しいけど、作画は相変わらず綺麗だったし話も普通に面白かった。この監督にかかると東京がキラキラした夢のある街に見えるからすごい。
個人的に『君の名は。』で好きだったのが終盤でちょっとした展開のひねりを入れてきたところだったので、今作はけっこう序盤で先の展開を示唆しちゃってるのが若干もったいないような気もした。
終盤のやや強引な展開とか刑事のキャラクターとかちょくちょく気になるポイントがないわけではなかったけど、映像や音楽の力も相俟って勢いで楽しませてくれる作品になっていた。なにより女の子が可愛かった。
ただ、前作主人公の登場はチラッと映すぐらいにしてほしかったかな。
陽菜ちゃんはもうちょっと修行すればX-MENの新作に出演できると思う。
評価:7/10点
天野陽菜ちゃんが可愛すぎて宮水三葉ちゃんのこと完全に忘れた
— しあ (@123sheer) 2019年7月19日
『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』 (Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw)
『ワイルド・スピード』シリーズの人気キャラクター、ルーク・ホブスとデッカード・ショウを主役に据えたスピンオフ作品。
唯一のシリアス担当だったドミニクの不在によって、完全なるアクションコメディ映画として完成してしまった。
ドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムはどちらもバリバリのアクション俳優なんだけど、両者の戦闘スタイルが真逆なのでバトルシーンではその対比が見られて面白い。
ハッティ役のヴァネッサ・カービーもカッコよかったし、全体的にまさしくこういうのが見たかった!っていうそのものズバリを見ることができたので最高だった。こんな感じのスピンオフだったらもっと見たい。
真面目なクライム映画やってた一作目の頃には誰がこんなシリーズになると予想しただろうか。
最後にライアン・レイノルズが『ゲーム・オブ・スローンズ』についてみんなが思ってたことをぶっちゃけててなんとも言えない気持ちになった。
評価:8/10点
スーパーコンボっていう字面の頭悪そうな感じがめちゃめちゃ好き、原題がHobbs & Shawっていうそっけないタイトルなだけに
— しあ (@123sheer) November 1, 2019
『ライオン・キング』(The Lion King)
ディズニーの代表作『ライオン・キング』を全編CGでリメイクした"超実写版"。
すべての動物たちがCGでリアルに再現されており、本当に実写そのものって感じでびっくりした。
ただ、リアルさを追求するあまり動物たちの見分けがつかないという新たな問題が生じてしまっていたように感じる。シンバとスカーなんかはまあちゃんと見ていればわかるんだけど、ナラとサラビあたりはどっちもただの雌ライオンなので喋り出すまでどっちがどっちなのかさっぱりだった。
全体的にオリジナル版に忠実でよくできた作品だったけど、逆に言うと内容はほぼ同じなので映像以外に目新しい部分はなかったかな。映像技術を楽しむ作品かと思います。
でもやっぱりエルトン・ジョンの主題歌がないと寂しい。
評価:5/10点
『ロケットマン』(Rocketman)
世界的ミュージシャン、エルトン・ジョンの半生を描く『ボヘミアン・ラプソディ』の二匹目のドジョウを狙った伝記映画。
というか『ボヘミアン・ラプソディ』の製作に関わったデクスター・フレッチャーが監督なので比較されるのは当たり前なのであるが、あちらとの最大の違いは本作がミュージカル仕立てになっていることである。
『ボヘミアン』が良くも悪くもフレディ・マーキュリーの人生を丁寧になぞっていくだけの内容だったのに対して、こちらはエルトン・ジョンの内面を深く掘り下げる構成になっていた。これは当事者が存命だからこそできた差別化だと思う。
楽曲もその時のエルトンの心情に合わせて効果的に使用されており、中でも"Tiny Dancer"の使い方が特にステキだった。
ただ、ライヴ・エイドのようなわかりやすいクライマックスがあるわけではなく静かに終わっていく感じだったので、ああいった盛り上がりを期待するとすこし肩透かしに感じてしまうかも。
ところで最近タロン・エガートンがタロン・エジャトン表記になってるの全然なじめなくて困る。
評価:6/10点
映画そのものとは関係ないけど好きなCM
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(Once Upon a Time In Hollywood)
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド オリジナル・サウンドトラック
- アーティスト: オリジナル・サウンドトラック
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2019/09/04
- メディア: CD
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'60年代ハリウッド黄金期の光と闇を描くクェンティン・タランティーノ第9回監督作品。
ブラピとディカプリオってこれが初共演なんですね。なんか意外。
かつて西部劇ドラマで人気を博したものの今は落ちぶれてマカロニウェスタン転向を考えている俳優の役をディカプリオが演じているんだけど、哀愁漂う感じがなんともハマり役で面白い。そういえばクリント・イーストウッドなんかも似たような経歴なんだよね。
本作はシャロン・テート殺害事件('69年に女優のシャロン・テートがカルト集団に惨殺された事件)を下敷きにしているので、これから観る人は軽くかじっておくといいかも。ぼくも鑑賞前にWikipediaをチラ見してきた程度だったんだけど、チェックしておいてよかった。
タランティーノの映画(とくに西部劇)に対する愛情がよく感じられたし、終盤になってようやくこの映画のやりたかったことが明らかになった時には怒涛の展開にめちゃくちゃ笑ってしまった。ただいつものことながら尺はちょっと長い。
タランティーノ作品の中で一番好き!という人はあまり多くはなさそうだけど、タランティーノ映画が好きな人なら同じように好きになれる作品だと思います。
ちなみにぼくは『レザボア・ドッグス』と『ジャンゴ』が好き。
評価:7/10点
ワンスアポンアタイムインハリウッド、やってることはイングロリアスバスターズと同じですよね
— しあ (@123sheer) 2019年9月9日
『アス』(Us)
『ゲット・アウト』の成功で話題を呼んだジョーダン・ピール監督による新作スリラー。
「自分と同じ顔の人間に襲われる」というコンセプトは定番ながらも恐怖心を煽られる。その一方で、前作同様どこかシュールで面白おかしい雰囲気も健在。これはギャグ映画なのだろうか?
序盤に登場する色んなセリフや演出がすべて後半の展開の前フリになっているのも丁寧でよくできているなと思わせられる。
『ゲット・アウト』同様にツッコミどころは多いんだけど、社会派なテーマを交えつつもスリルとコメディの塩梅をほどよく楽しめるユニークな作品だった。前作の雰囲気が好きだった人なら確実に楽しめるはず。
ルピタ・ニョンゴの迫真の顔芸とカッスカスな声マジで怖い。
評価:7/10点
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とはKAエスマ文庫の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を原作とするアニメであり、エヴァーガーデン家に引き取られたヴァイオレット・エヴァーガーデンちゃんがお手紙を書くお話なのだが、今作『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝』はタイトルのとおり『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の外伝として描かれ、今回はなんとヴァイオレット・エヴァーガーデンちゃんがお手紙を書く。
不届き者なのでアニメ最終回まで見てないのに見に行った。
基本的に1話完結だったアニメシリーズに対して、今回は手紙をやり取りする姉妹の過去や心情、その後の成長に至るまでしっかりと寄り添いながら描くことができていたので、アニメ版とは違った味わいや感動がある。
良い話だったしヴァイオレット・エヴァーガーデンちゃんは相変わらず美人だったけど、尺の半分が眼鏡ヒロインの話だったのがやや遺憾だった。
アニメの方もいずれはちゃんと見るので許してください。
評価:6/10点
主人公の名前すら思い出せない状態でヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝見に行ったけどちゃんと内容理解できるようになってたのでありがたかった
— しあ (@123sheer) 2019年9月16日
『アド・アストラ』(Ad Astra)
ジョージ・クルーニーもマット・デイモンも宇宙に行く時代なのでもちろんブラッド・ピットだって宇宙へ行く。
宇宙で行方不明になった父を探すためはるばる太陽系を旅する宇宙版『地獄の黙示録』。
SFやアクションというよりは主人公の内省・自省的な部分に重きを置いたドラマ映画としてのテイストが強い。
感情の欠落した主人公が父親を探す過程で己を見つめ直していくーーという筋書き自体は大変結構なのだが、それにしてもなんだかヘンテコな展開が多いのが気になる。
宇宙ギャングと戦ったり宇宙モンキーに襲われたり乗組員がやたらに無駄死にしたりと「今なに見せられてんの?」と突っ込みたくなる面白シーンが次々にやってくる。ただ月面西部劇のシーンはオリジナリティがあって個人的には好き。
あと、海王星までの旅路をすごく過酷で孤独なものとして描写していたからいったい何年かかるんだろうと思ったら3ヶ月くらいで到着してて笑った。
テーマ性自体は悪くないのに本筋以外の色んなところが引っかかってイマイチのめりこめなかったのが残念だったけど、違う意味でなんか面白かったので結果オーライ。
評価:4/10点
トミーリージョーンズなんでMIBインターナショナルに出てこないんだろうと思ってたんけど宇宙で行方不明になってたからだったんですね
— しあ (@123sheer) 2019年9月19日
『ジョン・ウィック:パラベラム』(John Wick: Chapter 3 - Parabellum)
ジョン・ウィック: パラベラム (オリジナル・サウンドトラック)
- アーティスト: タイラー・ベイツ& ジョエル・J・リチャード
- 出版社/メーカー: Varèse Sarabande
- 発売日: 2019/05/17
- メディア: MP3 ダウンロード
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Si vis pacem, para bellum.
相変わらず字幕がイカしてるよね。
伝説の殺し屋が新たなる戦いへ臨むジョン・ウィックシリーズ最新作。
このシリーズの魅力はアクションシーンはもちろん独自の殺し屋社会の描写にあるんだけど、その点で言うと今作は間違いなく最高傑作だった。
聖域指定解除みたいな少年心をくすぐられるワードが盛りだくさんだったし、アクションも見たことのない斬新なものばかりで見応えたっぷり。とくに投げナイフバトルとホテルでの戦闘は最高。
今まで中立に徹してきたコンチネンタル・ホテルのスタッフが前面に出てきたのもテンション上がるポイントだった。オタクはこういう展開に弱い。
今から次回作が楽しみ。その時は犬にももうちょっと出番あげてください。
評価:8/10点
ジョン・ウィック:パラベラム冒頭30秒ぐらいのざっくりとした前回までのあらすじ見ただけでこれまでの内容すべて理解できた
— しあ (@123sheer) 2019年10月5日
『ジョーカー』(Joker)
バットマンの宿敵ジョーカーの闇に切り込むヴィラン映画。なおDCEUとは関係がない。Why so serious?とも言わない。
現在進行形でジャレッド・レトがジョーカーを演じているのにもかかわらず新作を撮るという足並みの揃わなさから不安に感じていたものの、蓋を開けてみれば予想以上に面白いスリラー映画だった。
『ダークナイト』のジョーカーは出自も動機もまったくわからないところに恐ろしさがあったわけで、過去をつまびらかにしてしまっては台無しなんじゃないかと見る前は思っていたんだけど、こういう切り口もあるんだなと感心させられた。
ホアキン・フェニックスはヒース・レジャーに負けず劣らずの名演だったと思うけど、ロバート・デ・ニーロの存在のおかげで映画全体がグッと締まったように感じる。
もちろん単純にシナリオだけを取ってみれば同じような映画はたくさんあると思うけど、アメコミ映画という枠組みの中にスコセッシ風の世界観を持ち込むというアイディアが素晴らしいなと思ったし、ジャンルの幅の広がりを感じられて面白かった。
そういえば来年はハーレイクインの単独映画もやるみたいですね。
ジャレッド・レトは泣いていいと思うよ。
評価:8/10点
ジョーカー非常に良い映画だったけどこれじゃジャレッド・レトの立つ瀬がないじゃん
— しあ (@123sheer) 2019年10月6日
『エル・カミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』(El Camino: A Breaking Bad Movie)
Breaking Bad (El Camino) - Main Theme - Epic Version
- アーティスト: Alala
- 出版社/メーカー: Chapel Music
- 発売日: 2019/10/09
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アメリカ本国で賞レースを総ナメした大人気ドラマ『ブレイキング・バッド』のエピローグを描いた6年ぶりの新作。
本作では主人公ウォルターの相棒ジェシーの視点から、ドラマ最終回のその後が語られる。
懐かしいキャラクターたちが色々登場するのだが、みんな当時とあんまり雰囲気が変わってなくて良かった。(ただトッドは若干……)
ただ懐かしいというだけでなく、ドラマ本編では中途半端な形で幕引きとなってしまっていたジェシーの物語にもひとつの区切りを付けることができたので意義のある続編だったと思う。
最終回を見てからだいぶ間隔が空いていたので結構うろ覚えになってた部分もあったけど、死体運びにまごついてるシーンとか脈絡なく謎西部劇が始まったりするあたりにいつもの『ブレイキング・バッド』らしさを感じられて面白かった。
ついでに『ベター・コール・ソウル』の視聴がシーズン1で止まってたことも思い出してしまった。
評価:6/10点
『イエスタデイ』(Yesterday)
ある日突然世界中の人々がビートルズの存在を忘れてしまった世界で、唯一その存在を覚えているミュージシャンが彼らの曲を使って大成功するコメディ映画。
だれもビートルズを知らないので、主人公が軽い気持ちで彼らの曲を演奏するだけで周囲に大絶賛されるのが気持ちいい。またオレ何かやっちゃいました?
予告編を見てすごく面白そうだと思ったんだけど、見終わった後の感想としては「もっと面白くなりそうだったのにな」という感じ。
ビートルズを題材にする必然性はあまりなくて、基本的には売れないミュージシャンの葛藤と恋模様を映す作品だった。
ヒロインのリリー・ジェームズは好きな女優だから良かったんだけど、この映画の恋愛要素自体はちょっとありきたりで安っぽく感じてしまった。
ストーリーも思ったほどには盛り上がらなくて、なんで主人公だけがビートルズを覚えてるのかみたいな説明も一切なかったのでちょっと物足りない。
けど要所要所で良いポイントはたくさんあって、個人的に"Yellow Submarine"を歌うシーンがすごく良かった。「そうか、この世からビートルズが消えるってことはそういうことなんだよね」ってそこで改めて感じさせられた。
やっぱりアイディアは面白いし、音楽もいいので期待のハードルを上げすぎなければ十分楽しめる作品かと思います。
エド・シーランが自分の曲を着メロにしてるシーンが一番笑った。
評価:5/10点
『空の青さを知る人よ』
『あのはな』『ここさけ』を手がけた製作チームによる最新作……ということを劇場で特典クリアファイルをもらった時にはじめて知った。両作とも見てなくて申し訳ない。
予告編で見たヒロインが可愛かったのでほとんど反射的に見に行きました。
あらすじからして三角関係みたいな感じだったのでグダグダした恋愛描写ばっかりだったら嫌だなあと思ってたんだけど、どちらかというと恋愛よりも姉妹愛を主軸に描いた作品だったのでよかった。
大人と子供それぞれの立場から描かれる物語はどちらも違った雰囲気があって興味深かったものの、「お姉ちゃんが眼鏡じゃなければなあ…」という気持ちばかりが先行してしまって大人パートにあまり集中できなかったのがちょっと惜しい。
過去の自分との折り合いだったり姉妹のすれ違いだったり、ややこしくなりそうなテーマをさっぱりとシンプルに描ききった見心地の良い映画だった。曲もいいね。
評価:7/10点
空の青さを知る人よ、空の青さを知る人よちゃんの眉毛がめちゃめちゃ可愛くて良かった
— しあ (@123sheer) 2019年10月20日
『ジェミニマン』(Gemini Man)
Gemini Man (Music from the Motion Picture)
- アーティスト: ロアン・バルフェ
- 出版社/メーカー: Paramount Music
- 発売日: 2019/10/11
- メディア: MP3 ダウンロード
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現在のウィル・スミスと若きウィル・スミスが激突するウィル・スミスによるウィル・スミスのためのウィル・スミスW主演映画。
『ブロークバック・マウンテン』『ライフ・オブ・パイ』などの名作を生み出してきたアン・リー監督の最新作なのだが、今作は正直言って微妙な出来だった。
その最大の理由は、キモである年齢のギャップをほとんど活かせていないからだと思う。
せっかく青年期と中年期の自分が戦うんだから、それぞれの強みである「若さ」と「経験」の差を見せてほしいのに、両者の戦闘スタイルにはほとんど違いが見られない。ただ見た目の違うウィル・スミス同士が戦っているというだけで、これではわざわざ一人二役にしている意味がない。
この手の作品の醍醐味である「クローンであることへの葛藤」みたいなドラマ要素も弱くて、ストーリー・アクション共に物足りない内容となってしまっていた。
若い頃の姿を再現する映像技術はすごいんだけど、それ以外に惹きつける要素がなにかあるとよかったな。
ぶっちゃけ上映前に流れたウィル・スミスの気が狂ったCMのインパクトが強すぎて本編の印象が薄くなってしまった感はある。
評価:2/10点
上映前に流れたウィル・スミスの気が狂ったCM
『ターミネーター:ニュー・フェイト』(Terminator: Dark Fate)
Terminator: Dark Fate (Original Soundtrack)
- アーティスト: Terminator: Dark Fate / O.S.T.
- 出版社/メーカー: La-La Land Records
- 発売日: 2019/11/29
- メディア: CD
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『ターミネーター2』の正統なる続編と銘打たれたシリーズ最新作。
『3』以降の監督に怒られないのだろうか。
今までの話を完全になかったことにして『2』の直後から物語が始まる潔さには笑っちゃうんだけど、冒頭から衝撃的な展開で盛り上がり方が半端なかった。
そして今作がこれまでのシリーズと決定的に違うのが、サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンが28年ぶりに出演していること。
今作から登場する新キャラクターも色々いるんだけど、全員すっかり霞んでしまうくらいに彼女の存在感がずば抜けていた。
シュワちゃんでさえ今回ばかりは完全に喰われていた。というか今作のT-800は「いる必要あるのか?」と思うほど印象が薄かった。
ただストーリーについては『2』の焼き直しって感じでそんなに引き込まれなかったのが残念。新たな敵であるREV-9もT-1000とほぼ同じで、もうこれ以上新しいアイディアは出ないのかなって少し寂しい気持ちになった。
けどサラ・コナーの"I'll be back."を聞くためだけでも十分に見る価値はある映画だと思う。
評価:6/10点
『ベル・カント とらわれのアリア』(Bel Canto)
在ペルー日本大使公邸占拠事件に着想を得たとされるフィクション小説の映画化作品。
世界的オペラ歌手ロクサーヌの歌を聴くために南米某国の公邸を訪れた日本人実業家ホソカワ(渡辺謙)が、運悪くテロリストによる占拠事件に巻き込まれてしまう。
いわゆる「リマ・シンドローム」(人質が犯人に同情心を抱いてしまう心理状態)を扱った作品なのだが、犯人グループと人質たちの距離が縮まっていく過程をわりと丁寧に映していたのでよかった。人質のおじさんたちのキャラクターが良い味出してる。
ただ作中ではテロリストたちのバックボーンがほとんど説明されないので、そのあたりにももう少し焦点を当ててくれるとより同情を誘えたのではないかと思う。
メインキャストで日本人が2人出てるんだけど、加瀬亮の演じている日本人通訳の名前がゲン・ワタナベだったのが面白かった。
そして渡辺謙はやっぱり何もしなかった。むしろ安心する。
評価:5/10点
『ブライトバーン/恐怖の拡散者』(Brightburn)
もしスーパーマンが悪の道に走ってしまったとしたら…というコンセプトで生み出されたダークヒーロー映画。もといヴィラン映画。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督がプロデュースした本作は、『ガーディアンズ』とは真逆のバイオレンスな作風。というか思った以上にグロいシーンが多かったので苦手な人には厳しいかもしれない。
真っ直ぐに育ってきた少年がちょっとしたボタンの掛け違えから道を踏み外してしまうーーといった切ないストーリー展開を予想していたのだが全然そんなことはなく、とにかく主人公がひたすらに邪悪すぎて笑ってしまう。
善良な人々が惨殺されていくだけの話なので、ダークヒーロー物のようなカッコよさや爽快感は期待しないほうがいい。
ヒーロー映画のお約束をあえてひっくり返すような演出は頑張ってたと思うけど、逆に言うと先の展開がすこし予想しやすかった。
数年前なら斬新な切り口だったのかもしれないけど、アメコミ映画がごまんとある今のご時世にわざわざこの映画を選ぶ必要性は薄いかなあと思っちゃう。
続編作りそうな感じの終わりかただったけど、続きが出たら見に行きたいかも。
評価:4/10点
『アナと雪の女王2』(Frozen 2)
【メーカー特典あり】 アナと雪の女王 2 オリジナル・サウンドトラック【特典:ポストカード(5種ランダムの中から1枚)付】
- アーティスト: ヴァリアス・アーティスト,松たか子,神田沙也加,イディナ・メンゼル
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2019/11/22
- メディア: CD
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なぜ、エルサに力は与えられたのかーー。
そんなに興味ある人いる?
国内外で爆発的ヒットを記録したため当然のように製作された『アナと雪の女王』の続編。
正直なところ前作は音楽が話題になっただけでストーリーやキャラクターについては(他のディズニー作品に比べると)イマイチかなと感じていたんだけど、今作はアクションやミュージカルなど前とは違う角度に力を入れていたのでわりと楽しめた。
ただ話の内容については何がやりたいのかすこし見えづらくなっている部分はあった。シビアな要素が多くて小さい子どもが楽しめるストーリーではなかったような気がする。
楽曲は個人的に前作より良かったと思うけど、キャッチーさには欠けるかも。
前作の大ヒットを自分からネタにするようなシーンがちょくちょくあって潔いなあと思った。ハンス王子の存在が忘れられてなくて嬉しい。
評価:5/10点
『ゾンビランド:ダブルタップ』(Zombieland: Double Tap)
ルール2:二度撃ち(ダブルタップ)でトドメを刺せ
『ショーン・オブ・ザ・デッド』と双璧を成すゾンビコメディ映画の金字塔『ゾンビランド』が10年ぶりにカムバック。
リトルロックが大きくなっててびっくりしたけどコロンバスが全然変わってなくてもっとびっくりした。
10年のあいだに全員アカデミー級の役者になってしまったが、当時のノリとまったく変わらないとても楽しい作品だった。
『ゾンビランド』はゾンビ映画の"お決まり"を逆手に取る斬新さが面白い映画だったんだけど、今作では世界観と規模をさらにスケールアップするという方向でマンネリ化を防いでたのが良い。
新キャラもみんな面白くて、特にタラハシー一行のそっくりさんがめちゃめちゃ好きだった。
ゾンビ映画を見るのも久々だったのでこういう映画を見ることができて嬉しかった。やっぱり年に一度はゾンビに会いたくなるよね。
この記事をフラッグスタッフに捧ぐ。
評価:7/10点
ホーキングとかニンジャとか思わせぶりな感じで出てきたのに全然ストーリーに関係なかったの面白かった
— しあ (@123sheer) 2019年11月24日
『アイリッシュマン』(The Irishman)
The Irishman (Original Motion Picture Soundtrack)
- アーティスト: ヴァリアス・アーティスト
- 出版社/メーカー: Masterworks
- 発売日: 2019/11/08
- メディア: MP3 ダウンロード
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聞いたぞ
お前が
家のペンキを塗ってると
マフィアの世界でペンキ塗りを生業にしてきたフランク・シーランの人生を回顧するマーティン・スコセッシ最新作。
スコセッシとデ・ニーロが24年ぶりにタッグを組んだ本作は、『グッドフェローズ』や『カジノ』のようなノンストップのドタバタギャング映画とは打って変わって非常にスローで落ち着いた作品に仕上がっている。
監督もキャストも全員70歳オーバーという驚異の高齢化映画なのだが、それだけに堂に入った安定感があった。プッツン野郎の役ばかりだったジョー・ペシが寡黙なギャングのボスを演じているというあたりも年季の差を感じられて良い。
青年期から老年期まですべてを自ら演じたデ・ニーロももちろん輝いていたんだけど、なにより労働組合のカリスマ指導者ジミー・ホッファを演じるアル・パチーノが魅力的で終始目が離せなかった。
人生の終盤で悔恨に苦しむ男の非常に切なく重苦しい物語なのだが、それをキャリアの終盤にある役者たちが見事に演じてみせるのが素晴らしかったし、どのシーンも高級感があって、長尺なのに何度も繰り返し見たくなるような本当に凄い映画だった。
じつは近場の映画館でも上映してたんだけど、さすがに3時間半じっと座っていられるか自信がなかったので大人しくNetflixで視聴しました。オンラインでこんな名作がいつでも見られるってすごい時代だなあとあらためて思う。
評価: 9/10点
『ドクター・スリープ』(Doctor Sleep)
Stephen King's Doctor Sleep (Original Motion Picture Soundtrack)
- アーティスト: The Newton Brothers
- 出版社/メーカー: Watertower Music
- 発売日: 2019/11/01
- メディア: MP3 ダウンロード
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1980年に公開されたスタンリー・キューブリックの代表作『シャイニング』の40年後を描く物語。
映画の出来に激怒したというスティーブン・キングの原作は読んだことがないんだけど、『シャイニング』はキューブリックの作風が色濃く出たとても独特で芸術的な作品だった。今作は思いきってその方向性を変えて、キューブリックのエッセンスを残しつつも現代のエンタメ映画として昇華させることに成功していたと思う。
今回はホラーではなくむしろ異能バトルSFという感じで、全然予想していない展開だったけどそれが面白かった。
過去のトラウマに苦しむ中年のダニー・トランスを演じるのにユアン・マクレガーはぴったりな配役だったし、前作を意識した演出やカメラワークも好きだった。
原作小説も読んだうえで比較したらもっと面白く見ることができそう。
そういや今更だけどダニーのDocって渾名はルーニー・テューンズから来てたんですね。小さいころアニメ見てたなあ。
評価:8/10点
『ラスト・クリスマス』(Last Christmas)
ラスト・クリスマス オリジナル・サウンドトラック Featuring The Music Of ジョージ・マイケル&ワム!
- アーティスト:ジョージ・マイケル
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2019/11/20
- メディア: CD
12月だし一本くらいはクリスマス映画が欲しいよね。
Wham!の名曲"Last Christmas"にインスパイアされて製作されたというロマンティック・コメディ映画。
主演は『ゲーム・オブ・スローンズ』の灰の女王でおなじみエミリア・クラーク。また、『クレイジー・リッチ!』で完全無欠なイケメン彼氏を演じたヘンリー・ゴールディングが、本作でも完全無欠なイケメン彼氏を演じている。
キャストや雰囲気はとっても良いんだけど、脚本がイマイチなせいで全体的に芯のない作品に感じてしまった。
劇中で起こるイベントのひとつひとつが取ってつけたような感じで、キャラクターたちの言動がすごく表面的なものに見える。
その上でさらに移民問題・貧困・LGBTなどとにかく色々な要素を詰め込もうとしたがために、結局全部中途半端で薄っぺらい内容になってしまっていた。
あれもこれもと欲張らずに、主人公の恋愛にしっかり焦点を絞るべきだったんじゃないかなあ。
でもエミリア・クラークのチャーミングな演技と賑やかなクリスマス気分を味わうことはできるので、デートムービーとして見るのにはちょうどいい映画かもしれない。
人を燃やさないデナーリスが見られて良かった。
評価:5/10点
『マリッジ・ストーリー』(Marriage Story)
カイロ・レンとブラック・ウィドウが離婚協議で揉める様子を双方の視点から描くNetflixオリジナル作品。
はじめは円満に離婚しようとしていた夫婦が、どんどんこじれて醜い争いになっていってしまう様子はなんともやりきれない。お互いの好きなところを挙げるシーンから始まるもんだからなおさら切ない。
ぼくはもちろん結婚なんかしたことがないので本当の意味で彼らの気持ちは理解できないと思うんだけど、離婚が決まってからどんどん自立して前向きになる妻と、どんどん身を持ち崩して悲嘆に暮れる夫の姿がなんだかリアルで怖かった。
お互いを心から嫌っているというわけではないのに、親権や居住地、仕事など、複雑な事情が絡まりあって一筋縄ではいかないというのが複雑で難しい。
いろいろ考えさせられるだけでなく、アメリカの離婚調停のプロセスだったり、それぞれの人間ドラマだったりと、いろいろ見どころの多い映画だった。
でもやっぱり男なので夫の方に肩入れしながら見ちゃう。最近アダム・ドライバーすごい好きなんですよね。彼はこういう演技をさせたらピカイチだと思う。
評価:6/10点
最後のジェダイとマリッジ・ストーリー続けて見たらキレ散らかして壁を殴るアダム・ドライバーを二回連続で見れてお得だった
— しあ (@123sheer) 2019年12月18日
『ジュマンジ/ネクスト・レベル』(Jumanji: The Next Level)
Welcome to Jumanji !
初代『ジュマンジ』から180度方向転換してお馬鹿コメディ映画となった『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』の続編映画。
個人的にはホラーチックだった初代も完全にギャグに振り切った前作も両方好きなんだけど、今回も前作のノリをそのまま引き継いだ楽しい作品だった。もしかしたら2019年で一番笑った映画かもしれない。
自由にアバターを入れ替えられるというゲームならではの設定を上手に使っており、前作と同じキャストなのにまったく違うキャラクター像を生み出しているのがすごい。やってることは前とほとんど変わらないのに、新鮮な面白さがあった。
ただもう『ワイルド・スピード』と一緒で一作目の面影はいっさい残ってないよね。もはやジュマンジという存在が子どもに遊んでもらうために一生懸命趣向を凝らすいじらしい奴に思えてきた。
評価:7/10点
新ジュマンジは吹替で見ると水瀬いのりさんの声が聴けるので嬉しい ちなみにM・A・Oの声は例によって1ミリも聞き分けられない
— しあ (@123sheer) 2019年12月14日
『屍人荘の殺人』
人里離れた山荘に閉じ込められた人々が次々に殺されていく正統派ミステリ映画。
設定自体はお決まりの密室ものなんだけど、こんな展開になるとはまったく思ってなかったからめちゃめちゃびっくりした。
コンセプトを呑み込むまでちょっと時間がかかったけど、アイディアは斬新で面白い。
ただ、推理の部分はいいんだけど、全体としての完成度はそこまで追いつけていなかったかな?という気はする。なんかもっさりとした演出が多いのが気になったし、容疑者たちはクセが強いわりにどういう人物像なのか最後までイマイチよくわからなかった。中村倫也のキャラがけっこう好きだったからもっと見たかったな。
それでも、こんなぶっ飛んだ世界観のなかで、ちゃんと設定を活かしつつ整合性を持たせたミステリに仕上げているのはすごいと思う。個人的にこういう映画は好き。
剣崎比留子ちゃんがときどきセリフの呂律回ってなくて可愛い。
評価:6/10点
(2020.1.5追記)
『テッド・バンディ』(Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile)
実在した連続殺人鬼テッド・バンディの一面に迫るスリラー映画。
テッド・バンディは極めて知能が高く計画的な殺人犯として知られており、『羊たちの沈黙』でバッファロー・ビルが荷物を運ぶふりをして女性を誘拐したあのシーンもバンディの実際の手口がもとになっているとのこと。
原題の"Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile"(極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣)はバンディの判決文の中で実際に読み上げられた文句なのだが、その言葉のとおり彼の犯行は筆舌に尽くしがたい。
ところがこの映画のユニークなところは、全編をとおしてバンディの恋人の視点から物語が描かれる点。そのため、実際の犯行シーンなどが映されることは一切なく、彼がいったいどんなことをしたのか?そもそも本当に彼がやったのか?などすべてが判然としないままストーリーを追うことになる。
暴力的な描写はまったくないのにもかかわらず底知れない恐怖を感じさせる演出はよくできており、バンディを演じたザック・エフロンも人の良い笑顔の裏に隠された狂気をうまく表現していて息を呑んでしまう。
サイドキャラクターもキャラが濃く、特にバンディの裁判を担当した判事がクールでカッコよかった。
最後に実際の映像が流れるんだけど、本当にこんなことがあったのかと戦慄させられる衝撃的な映画だった。いろんな人に見てもらいたいオススメの作品。
評価:7/10点
『2人のローマ教皇』(The Two Popes)
カトリック教会の最高位に立つ2人のローマ教皇の苦悩と友情を描くNetflixオリジナル映画。
先代教皇ベネディクト16世をアンソニー・ホプキンスが、現教皇フランシスコをジョナサン・プライスが演じているのだが、どちらも本物にそっくりで驚き。
基本的に2時間のあいだずっと2人が会話をするだけの映画なのにもかかわらず、まったく飽きさせないからすごい。
キリストの代弁者であり雲の上のような存在である教皇もひとりの人間であり、さまざまな罪や後悔を抱えているという葛藤をありのままに映しているので非常に感情移入させられる。
基本的にはコメディなので楽しく見ていられるのだが、そうかと思うと急に重い話が投げ込まれてきたりして、緩急の付け方が非常にうまい。
本作は『スポットライト 世紀のスクープ』でも描かれたカトリック教会の神父による性的虐待事件の渦中の話であり、それだけ深刻でシビアなテーマを扱いながらも、ここまで面白く心温まる作品に仕上げているのが見事だと感じた。
こういう内容を堂々と映画にできるっていうのがまずびっくりなんだけど、2人の友情を強く感じさせる素晴らしい映画だった。最近のNetflixマジでヤバい。
評価:8/10点
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(Star Wars: The Rise of Skywalker)
スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け オリジナル・サウンドトラック(限定盤)
- アーティスト:ジョン・ウィリアムズ
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2019/12/20
- メディア: CD
A long time ago in a galaxy far, far away....
スター・ウォーズ42年の歴史の集大成、続三部作(シークエル)のフィナーレを飾る記念すべき作品。
前作『最後のジェダイ』が賛否両論を巻き起こしたことから多くのファンが「イヤな予感がするぜ」と不安視していた今作だったが、なんだかんだしっかりと話を締めくくれていたのでよかった。
ただ、大風呂敷を広げたわりに尻すぼみに終わってしまった感は否めない。
今作ではエピソード7を監督したJ・J・エイブラムスが再びメガホンを取ったのだが、明らかに前作の監督と足並みが揃っていなかったように思う。エピソード8でひっくり返した内容を今作でまたひっくり返したりしていて、帳尻を合わせることに終始してしまっていた。
レイ・フィン・ポーがトリオで行動する姿を最終章にしてようやく見ることができたものの、もっと前からやっておけよと言いたくなる。
それでもクライマックスの最終決戦はやっぱり盛り上がったし、カイロ・レンはじめそれぞれのキャラクターたちにも見せ場があって良かった。
ネームバリューにもキャストにも恵まれていたのにもかかわらず、脚本や製作に振り回されてしまったちょっと気の毒な作品だった。
ビッグタイトルを綺麗にまとめるのって本当に大変なことだろうなって最近切に思う。
評価:6/10点
スターウォーズのそこ一番大事だろって部分を全部オープニングクロールで端折っちゃうところ好き
— しあ (@123sheer) 2019年12月23日
「後半はそんなに見たい映画ないかも」とか言っておきながら終わってみれば前半よりも多くなってしまった。
Netflixオリジナル作品で面白い映画がどんどん出てきてて時代の移り変わりを感じる。
2019年に見た映画は新作が48本(うち4本はNetflix)、全部合わせると120本ぐらいでした。
今年の映画はまだあんまりチェックしてないけど、今月はとりあえず『フォードvsフェラーリ』『ダウントン・アビー』『ジョジョ・ラビット』『キャッツ』『ナイブズ・アウト』『劇場版ハイスクール・フリート』あたりが楽しみ。
2020年もどうぞよろしくお願いします。
May the Force be with you.
(おわり)